第225話 いなくなっても

 チョビさんを撫でながら

「僕がいなくなっったら…嫌かい?」

 チョビさんは気持ちよさそうにアゴをクイッと上に向ける。

 あまり喉を鳴らさないチョビさん。

 それでも撫でられるのは好きだ。

 尻尾の付け根をコチョコチョする。


「ミーッ」

 と鳴いて部屋を出て行く。


「死にたいな…」

 呟いてはみるけど…


 死ぬ気になれば何でもできる。

 違うよ

 死ぬ気が無いから何でもできるんだ。

 死ぬ気になれば死ねるんだよ…きっと。


 バイトに行くまでの間、少しだけ眠る。

 目覚めればツラいだけの現実。


「死にたいな…」

 足元に眠るチョビさん。

 僕は弱い…。

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