第206話 開けません

『ニートーーーーー、涼しくなったよ散歩だよーーーー』

 チョビさん、雨が降りそうで気温が下がると叫びだす。

「チョビさん雨が降るんですよ」

『ニートーーーーー、外に行けるよーーーー』

 しばらく放置してみる。

 玄関で叫び、階段を全力で上がってきて壁紙を引っぺがし、ソファをバリバリする。

 最終的にフローリングで、ふて腐れ、ゴロンと寝っころがって尻尾でバシバシ遺憾の意を表明してくる。


 雨が降りだすと、窓から外をポヤーッと眺める。

『ニート、窓開けてみ?』

 窓をカリカリ引っ掻く。

「開けませんよチョビさん」

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