第204話 まくらにキレる

 朝帰ると、チョビさんがベッドの真ん中で眠っている。

 とりあえず洗濯したいのでシーツを剥がしたいわけだ。

(ラブホで一晩で10枚以上、引っぺがして敷き直しているわけだが、家に帰ってもベッドメイクするわけだ…。


 枕カバー取り換える、うっかり手が滑ってチョビさんの頭にボフッと落ちる。

(あっ…しまった…怒るなコレ)


 ノソッと身体を起こして、伸びして…目を細めて僕を見る…

『コレやったんニートか?』

「すいません」

『コレが悪いんか?』

「………」


 枕をバリバリバリバリ…

 とんでもない手足の速さで引っ掻きまくる!!


『コレが悪かったんやな…』


 チョビさんは枕をボロボロにして去って行った。

「ヤクザですやん…ちっこいヤクザですやん…」


 たまに思う…『猫』とは、ちっさい『虎』なのだと…。

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