第142話 クロさん立つ

 寒波が過ぎ去り、少し暖かくなった。

 リビングのファンヒーターの前以外で見ることが無かったクロさん。

 ついに立ち上がった。

 部屋にノソッと表れるクロさん。

『ニート…ブラッシングだ』

 僕の目の前でゴロンと横になる。

 なんだか久しぶりだ。

「クロさん…また大きくなったような…」

『ニート…気のせいだ』


 夕方、冷えてくると

『ニート…また来る』

 クロさんは悠然とリビングへ戻って行った。

『ニートーーーー、コレ付けてーーーー』

 ファンヒーターの前で鳴くクロさん。

 なんか春まで会えない気がする。

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