第118話 そこだけ食べる?

 鉄火巻き。

 刺身は、まぁ好きな方なクロさん。

 チョビさんも、そうだが刺身より焼き魚派のようだ。


 それでも、好きは好き。


 パックのお寿司に鼻を近づけてフンフン嗅ぐクロさん。

『ニート…これは大丈夫そうだ』

 しきりにパックにカキカキと爪を立てる。


 わざわざ箸で、マグロの部分だけをお皿に移して、クロさんに食べさせる。

 ムチャムチャ食べるのだが…最終的に、僕に残されるのはシャリと海苔。


 なんだろう…美味しくない。

『ニート…やっぱり焼き魚のほうが俺は好きだ』

 食べ終わると、ひと鳴きしてクルッと部屋を出ていくクロさん。

 なんだろう…美味しくない。

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