第98話 クロさん…なぜソコに?

 どうやって登ったのか…2mほどの棚のうえにクロさん。

 ジトーッとこちらを見ていたようだ。

 静かにしているので、エアコンを消す時までまったく気づかなかった。

 たぶん…ジトーッと僕を見ていたに違いない。

 そんな視線だった。

 目が合うと、

「ブナーッ」

 と鳴く。

『遅いんだよニート!! 寝てばかりいるんじゃねぇ!!』

 と言わんばかりに鳴く。


 さて困った…降りられないのだ一人では。

 手を伸ばしても、怖がってこっちに来ようとしない。

 悩んだすえに、僕はソファの上にひざまずいて踏み台になった。

 僕の背中に飛び乗れクロさん。


 ドスッ、

 チョビさんが飛び乗り棚の上に…。

「そうじゃねぇ…」

 それ見たことか…二重遭難だ…。


 結局、本を重ねて抱っこで降ろした。

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