第71話 クロさん…頼むよ

「フガーッ」クロさんの鳴き声は独特だ。

 カラスを見ては鳴きまねをしていたせいだろうか…ちっちゃな頃から独特な鳴き方だった。

 チョビさんとケンカするとさらに変な声を出す。

 そして、僕の所へやってくる。

 下痢で…限界…そこへ…

『アイツ、ちょっと怒ってやって!!』

 言わんばかりに腹に飛び乗るクロさん。

『ねぇ!! アイツにちょっと言ってやって!!』

「やめてクロさん…もう限界なの…」

 無理やり降ろすと、チョビさんが…

「ミニャー!!」

 クロさんに飛びかかる。

「やめて…足元で暴れないで…大変なことになりそうだから…」


 僕は知ってる…どうせチョビさんが外に出してもらえないから、クロさんにチョッカイだしたんだ…。

 トイレのドアの前にクロさんがデンッと座っていた。

『なんで助けてくれないんだー』

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