第48話 妹の子供すなわち姪

「ほら、おじちゃんにお願いがあるんでしょ」

「お財布が欲しい…」

「お兄ちゃん(桜雪)が買ってくれたじゃない昔、この子が小学校2年の頃…」

「レベッカテイラーのグリーンのだったっけ?」

「ずっと使ってるのよ、ボロボロになっても」

「うん…新しい財布…」

「そう、中学生になったし」

「うん…中学生になったし…もう1人増えたし…ね」


あの当時は金があったわけで…今はフリーターなわけで…。

それでも、上の姪にサマンサタバサ、下の姪にリズリサの財布をご注文した…。

中学生でサマンサタバサ…小学生でリズリサ…まぁそんなもんかもしれない。


僕の子供の頃は…500円のマジックテープ財布だった気がする。


贅沢に買い与えてた頃が懐かしい…クリスマスにはフォアグラを振る舞ったりした。

「子供の頃から、ちゃんとした本物を食べなさい」

そんなことを言ってた自分が恥ずかしい。


『俺も本物のマグロが喰いたいのだが…ダメなのか?ニートよ』

「チョビさん、クロさんスマン…今月は倹約になりました…」

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