第2話 難産だったR社の会社案内
会社案内の制作の過程での出来事だったが、10年前から、スタートしたが、なかなかカタチにならず、屯場は焦りが出ていた。2、3年経ってから、やっと、カタチにしたが、福岡支社と出向などを体験した彼は粘り強くなんっていた。
前任者から引き継いだ会社あんないであったが、制作過程でほっぽり出したい気持になるほど時間がかかっていた。10年仕事のようであり、得意が決めれない悲劇を一手に引き受けていた屯場は真面目な性格だったので、実際、困っていた。D社へはじめて来た得意であり、先方の役員絡みの仕事だったので、屯場はどうしても、早くカタチにしたかったが、先方の次長がなかなか進めてくれないので困り果てていた。セッカチな性格なためにどうしてもカタチにしたい屯場と先方の次長との波長が合わないために、替えて貰った方がベターだ。と内心思っていた。作業も自分のペースだけでは進められないことも多く。得意の都合でのペースになってしまう傾向があった。シニア。アソシエイトとしての仕事であり、ベテランだから、耐える仕事には馴れていた。少しのトラブルでは凹まない屯場だっtが、かなり精神的には参っていたのだった。60歳過ぎても現役と同じ仕事が出来る幸せを感じながらの作業だった。電通賞はじめ数々の賞を総なめにした力量は落ちていなかった。クリエーティブの現場では部長クラスの副理事なでに上り詰めた屯場は日本グラフィツクデザイナー協会の会員として30年前からであったが、JAGDAの出来たてのころからの会員だった。D社ではAクラスのクリエーターだった。海外の賞を含めると30個以上の賞を取っていた。
クリエーティブ局は宣伝技術局とテレビ制作局の合併があり、宣伝技術局においては、ちゃんと、技術手当が付いていたのに、テレビ制作協はプロディーサー集団のようであり、あまり、技術は重視しないで営業っぽい感じで、所詮、水と油だった。博報堂はコピーライターとアートディレクターがコンビでテレビコマーシャルを制作するというアメリカ方式だったが、D社は日本独自のコピーライターとアートディレクターとテレビ制作者という3人態勢という変則型だったためにあま組織的には上手くいっていなかった。どうしても個人の力にたよる変則型の組織だった。テレビは予算が多いために、外部のスタッフを使用していたために社内で制作する宣技とは違っていた。
R社の会社案内の撮影で金沢の金津工場や神戸の三田工場などを訪れていた。リブとの出逢いは金工場の撮影時だった。富山の東尋坊などにも立ち寄ったが、ここが自殺の名所であり、海岸に刻まれた岩肌はあくまでも鋭く切りたっていた。
松葉ガニの季節だったが、値段が高いために食べれなかった。夕食は得意が立ち合っていたので、豪華な会席料理だった。蟹も出たが足だけであり、松葉ガニまではいかなかった。富山や金沢の田圃は大きく雄大であり、広々としていた。
裏日本ではコメやサケに恵まれた環境であって、2度目の訪問であったが、屯場は気に入っていた。冬には雪に閉ざされて、田畑が肥えて、美味しいお米や酒になるんだなと感じていた。
現場の過酷な労働によって、貧弱だった身体が丈夫になっていった屯場だった。日本の最南の佐多岬から最北の九州富良野や美瑛まで100か所以上もロケに立ち会った屯場だった。砂の上でボートを運ぶヨット&ボートの撮影などまるで独楽鼠のように働き廻った。撮影時は朝の5時起きであって、朝日の光線を生かしながらの撮影が多かった。日本の高度成長をさせて、世界一流にしたパワーは忘れることができない。
2週間後、R社のプレゼン、女子サッカーの結果は残念ながら、小泉不況で遣らないということであった。屯場は言葉に表せないぐらいがっかりした。何とか女子サッカーをメジャーにという夢は崩れた。
今度はコミック誌に総額1億円の漫画賞に応募することに決めた。主催者はコアミックス社であり、コミックパンチという週刊コミック誌に掲載されるというので、屯場は『野に咲くなでしこ』という題名で応募してみることにした。プロットまで、書いて応募したら、コミック誌の公募覧に、プロットまで書いて参加している人がいるとコメントが載っていたので、屯場も嬉しくなってしまった。
プロットをご紹介致しましょう。
北海道の修道院に拾われたリブはグングンと成長していった。
修道院の1日の生活……。
朝の5時半に起床し、静かに、お祈りを行う。
7時30分に清掃や書類の整理し、まず、お祈り。
8時にお祈りしてから朝食。
8時30分~11時30分まで、農作業や家畜の世話。
午后の1時に昼食。
2時~4時まではブドウ園の手伝い。
4時半に聖書の研究。
7時半に夕食。
9時半にベットで就寝。
ざっと、こんな単調な生活であったが、身体を動かすことが好きだったリブは飽き飽きしながらの生活だった。貰われた人の生活であって、最初は従順であったが、物心が付いてくると不満は堪りだしたが、表面上は表さなかった。最初の内は感謝で一杯だったが、若さのために単調な生活に飽きが生じていた。脚力が人一倍強かったリブは最初の内はボッチボールの球を大木にぶつけて、憂さを晴らしていた。野山のある自然に溢れていた地域だったので、リブはオオカミのように、駈けずり廻って野生児だった。午后の昼休みや聖書研究の後の時間がスポーツの時間だった。最初は先輩も注意していたが、その素質に感心して、後からは注意するよりも、積極的に協力してくれた。リブの脚力は並大抵のモノではなかった。下はブルーマで、上はTシャツ姿のリブは小麦色の肌とマッチして、ハーフの雰囲気を醸し出していた。
ある時、ウーマンズカレッジが北海道に来た時に指導者とリブの出逢いがあり、リブの運動神経し惚れた指導員に引き抜かれた。リブは16歳の夏であったが、身長は異常に高く、ヒョロッとした体格をしていて、もやしっ子のようだった。
リブは野生児だったので、他の選手の敵ではなかった。
運動神経も抜群であって、はじめからプロ選手の身体だった。特に走りは良く。瞬発的な運動能力も群を抜いていた。修道院生活の経験者であったので、忍耐力もあって、頭脳明晰だった。最初から一流選手の能力を持ち合わせていた。球のコントロールはイマイチだってけど、これからの練習で解決されるであろうことを明確であり、練習相手に恵まれないという唯一のマイナス面はあったが、今後の指導で矯正できることであった。野山を駆け回った足腰は都会生活だけの選手とは明確に違っていた。尻の筋肉は盛り上がり、小さめなバストとマッチしていた。筋肉の柔らかさもあって、オーバースローショートを得意とする未完の大器だった。ウーマンカレッジの指導者たちにも目に留まることは最初から分かっていたので、参加した自信のある本人はやる気満々だった。少し内股気味の足からのシュートは強烈だった。
なでしこジャパンもPK選で勝利をおさめたことを思い起こすように、どうしても、スピードのある正確なシュートが蹴れるという才能が必要であることは歴然としていた。男の中山選手も以前経験した股関節を痛めることが多いが、女性であってもこの股関節は重要な役目をしていた。足全体を集中して蹴るのであるが
股関節は痛め易いので、注意をしながらストレッチやランニングをすることを指導者から学んだ。アルゼンチンのメッシュのようなすばしっこさは小柄の選手でも活躍できることを証明しているが、リブは大柄で尚且つ敏捷であったので、一流選手に近い素材だった。
「リブ次はお前の番だぞ! 準備しとけ!」
コーチからの掛け声に緊張したリブの顔があった。
「行きますよ!」
「待て!」
「まだ、まだだ。前の選手が終わってからだよ」
「ハイ!分かりました!」
元気なリブの声が木霊した。
「ダダッダー」
「パッシュー」
「アッ!」
「ピッピー!」
「ナイス・シュート!」
「リブ。いいぞ!」
「オッタマゲタ!球だな」
「誰も、取れないな」
「もう、1球」
「パシュー!」
「鋭いぞ!」
「ナイス・シュート」
彼女の猛烈なシュートはひときわ目立っていた。ゴールに吸い込まれるボールはウネリを上げながらの強烈ソノモノ。女性のシュートとはとても思えないシュートだった。
「オオカミシュートだ」
「叫んでいるようなシュートだからな」
「何処で、練習をしていたんだ!」
「裏山です~」
「まったく、野生児だな」
「風貌も逞しいな」
「プロ向きだな!」
リはボールを枕にするくらいサッカーが好きだった。寝ても醒めてもサッカーから頭は離れなかった。シュートも強烈さにキーパーが逃げ出すように及び腰だった。ボールの威力があって、球が生きていた。地元の他の選手を恐れさせていた。一遍にリブの名前が印象付けられたウーマンカレッジ北海道は彼女のために開かれたような感じだった。修道院の寒波で交通費を捻りだしてからの参加ではあったが、こんなに反響があるんだったら、修道院もみんなも悦んでくれるにちがいないとリブは想っていた。もんなの協力によってリブの名前が花が咲いた瞬間だった。リブはみんなに感謝してお祈りを捧げた。最初の内は硬さがあったが、馴れてくると轟音とウネリのシュート音に選手は驚嘆した。ゴールに炸裂するボールは楕円状になってゴールに突き刺さった。指導者の目に焼き付けられたリブのシュートだった。ゴール近くで上に伸びるような球はみんな信じられなかった。スライスやカーブなどの変化もできて、キーパーは触ることもできなかtぅた。リブは向かうところ敵なしであり、怖いモノ知らずだった。
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