花は永久≪とわ≫の最果てに

桜ひよ

000.

むかしむかしのお話。

遠くの山よりさらに向こうに、神様のもとに最も近い村がありました。


その村には、神様の宿る玉がありました。

そして、その玉は美しい巫女様によって守られておりました。

巫女様が玉を守り、神様にお仕えすることで、村はもちろん、この国の平和が保たれていたのです。


しかし、巫女様は若い村人の男と恋に落ちました。

そして結ばれるために、二人で村を出ようとしたのです。

巫女様の行いは、神様のお怒りを買いました。

そして、村に大きな災いがもたらされました。

巫女様はそれを嘆き、悔い、神様のお怒りを鎮めるために自らの命を捧げました。

神様は巫女様の行いをお許しになり、災いを村から遠ざけました。


そうして、この国に再び平和が戻ったのです。



…しかし、

巫女様と共に、神様の宿る玉もどこかへいってしまいましたとさ。

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