第36話 カレーだけがおかしい

実家の母から「家計が大変だろうと思い(弟本人の)服と家族分のバスタオルをあげたら、引っ越しの荷物の片付けを手伝った時に義妹(弟の嫁)から『これも要らないんで』と他のアイテムと一緒に戻された」という怒りの電話がかかってきた。

趣味が合わないとはいえ、義妹勇者すぎる…!

そこに痺れもあこがれもしないが、そんな弟家族の新居は義妹の実家の斜め裏だ。


あとは相変わらず家族アルバムへのログインをせっつかれる。

この間初めて義妹に甥と一緒に映った写真をアップしてもらえたそうだ。

まだ確認はしていないけれど、巻き込まれると色々大変そうなのでそっと遠くから静観していたい。


実家といえば、母は私に厳しく料理のイロハを叩きこんでから嫁に出した。

食材のサイズ、切る順に繊維の方向、食材の投入タイミング、加熱分数など全て母の指示通りにやらないとブチ切れられるのは、帰省した今でも変わっていない。

嫁に行って本当に助かってはいるが、実家にいた頃はそれが窮屈で仕方がなかった。

独立した竈を持って、今は自由を謳歌している。四川料理サイコー。


そんな母のカレーがおかしいと学生時代に彼氏から指摘されたことがあった。

別にやたらと本格的とか、無水カレーだったとか、早すぎたスープカレーだったとかではない。具が肉ではなく、ちくわだっただけだ。これに加え、辛い物がダメな母の手によってバーモント甘口に隠しきれない隠し味として無慈悲に砂糖をぶち込まれ辛さゼロ、もといマイナスのカレーになっているだけだ。


この話を夫にしたらやっぱりおかしいと言われた。残念だが今では同意している。

母はカレー以外は寧ろ料理上手な方だから驚きだ。



と、散々書いたところでふと思い出した。

今月実家から両親来るわ…。

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