第35話 自然に帰したというが
肌寒くなってきたので、冬用のくまさんフードを被っていたら夫に「またすぐテレビの影響を受けて」とニヤつきながら干物おくさん呼ばわりされたよ!
うまるちゃん2期始まったけどそれは違うぞ!と声を大にして言いたい。
私はフードのついた服が好きだ。被っているというか包まれている安心感が特に好きなのだが、ことあるごとに夫に不審者呼ばわりされる。
先日は黒いせいし呼ばわりされた。緑のフードなのに…!
せいし(敢えて変換しない)で思い出したので、今回はこの話でも書こうか。
夫がまだ性に目覚めた頃の話だ。当時はまだインターネットもなく、おかずの調達は
専ら公園や河原での採取、兄弟や近所の篤志家(つるんでる年上の人)からの提供、自販機での購入等によって賄われていた。
そのため趣味とはマッチしないものも沢山あったそうだ。
今考えてみるとダイレクトにモノをゲットできる現代よりも、エロを通じて想像力が鍛えられる土壌だったのではなかろうか。
話がそれてしまった。
地元でエロエリートだった夫は博士と呼ばれ、日々知識の伝道を行っていたそうだ。
また物資の調達もうまく、同じ道を求める者たちからも一目置かれていた。
そんなある日のことだ。
コツコツと貯めた秘蔵のコレクションが親にバレそうになってしまった。
いわゆる少年の大ピンチだ。
「で、どうしたの?やっぱ見つかちゃったの?」
どうせ見つかったんだろうと思った私は夫にニヤつきながら聞いた。
「いや。棄てた。」
建設途中だった近所の家の基礎に投げ込んだそうだ。
本人は自然に帰したと言っていたが、一体何の呪いだ。
エロ本が基礎に混ぜ込まれた家って、なんというかとてつもないパワーを感じるが、
きっと現場のおじさん達がゴミとして回収していったと思いたい。
なお、そのエロ本ハウスは今でも立派に義実家のそばにそびえ立っている。
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