とりあえず、家に連れて帰りました

一旦、レイラちゃんを家へ連れてきた…

が、

「と、とりあえずなにか飲む?」

「……………………」

話すらしてくれません。

と、そこに

「あれー?クエル、お客さん?」

師匠が起きてきた瞬間、レイラちゃんが目にも留まらぬ速さで師匠に近づきカプリ、と首筋に噛みついた。

チュウチュウ…チュウチュウ…

「ふぅ…危なかった。その…なんて言うか…ありがと」

と、ボソッとレイラちゃんは師匠にお礼を言った。

「うわぁー!師匠、大丈夫ですか?生きてますか?」

「う、うぅ…がぁー!」

いきなり、師匠が私の腰に抱きついてきました。

「ひゃっ!し、師匠どうしたんですか!?」

「………にひ、びっくりした?」

と、師匠は舌をペロッと出しながら私にいたずらっぽい笑みをむけてきた。

「ふん、吸血鬼に血を吸われると吸血鬼になるだなんて…信じてる人まだいたのね。吸血鬼わたしたちは血の中に含まれてる魔力を吸って生きているだけよ。あと、日の光も大丈夫ね」

意外と、伝承って誇張されてるんだなぁ…

「まぁ、そんなことは置いといて…この子は誰?」

「あぁ、この子はレイラちゃんで森の中で迷子になってる所を拾いました」

「だから、迷子になんてなってないってば!散歩してただけだって!」

頑なに認めないなぁ…反抗期かな?吸血鬼に反抗期があるか分からないけど…

「じゃあ、なんでレイラちゃんは森の中を散歩してたの?」

「うっ…そ、それは…その、家を追い出された…」

えっ!それって、捨て子?になるのか分からないけど、ダメじゃない?

などと考えていると、私の思考を察したように師匠が声をかけてきた。

「まぁまぁ、クエル落ち着いて。どうして、レイラちゃんは家を追い出されたの?」

「だから、子供扱いしないでってば!貴女も、どうせアタシより年下何でしょ!」

あ、聞いちゃいましたね…

「え?逆にレイラちゃんは何歳なの?八歳ぐらいかな?」

「んなっ!百歳よ、ひゃくさい!見た目だけで判断しないで!」

「そっかー、じゃあ私の方が年上だねー。私は五百歳なんだよー。見た目じゃ年齢は分からないねー」

と、師匠はニヤニヤしながら言っていた。我が師匠ながら、性格の悪いことだ…

「それで、もう一回聞くけどレイラちゃんはなんでお家を追い出されたの?」

「そ、それは…」

「それはぁ?」

「………から」

「え?聞こえないよー?」

そのくらいにして上げましょうよ…師匠

「だから、男の人の血が吸えないからって言ってんのよ!それを克服するために、修行に回ってるの!」

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