第18話 先輩面と新人育成
新人勧誘により、二名の新人がギルドに定着した。
一人目は男性キャラの初心者で、名前は現実の名前を少しもじった感じだが
その名前で彼が呼ばれることはない。
僕「カレー君、なんでカレーって呼ばれてるの?」
カレー「わかんないんすよ・・・。確かにカレーは好きですけど、名前にする程は好きじゃないんですが。。。」
誰が呼び出したかもわからないが、ギルド内での彼の名詞はカレーに定着していた。
彼のプレイスタイルは前衛の戦士で、壁役もできる。
まだ育成途中の為、火力こそ弱いがセンスを感じる戦い方をするのでどんどん伸びて行くだろう。
性格もいい意味で可愛い感じの男の子だ。事実みんなから可愛がられている。
二人目はムラマサさんで、この人が団長まほうつかいが勧誘し、口説いた上で結婚の約束もした人だ。
結果的には僕の活躍によりご破算となり、しばらくは様子を見るということに落ち着いた。
ムラマサさんは魔法使い志望で、雷の魔法や氷の魔法を主に使う。
ただ、戦闘メインというよりは可愛い服を集めたり、楽器の演奏をしているのが好きなようだ。
ちなみに
僕「ごめんね、ムラマサさん。団長はムラマサさんが凄い気に入っているみたいで。。。」
ムラマサ「いえいえ、最初は驚きましたが団長も女の子なんですよね、多分おままごとみたいなものなんじゃないかなって思ってますよ。^^」
大人の対応だった。
今日はその二人を集めて簡単な講習を行っている。
戦闘ばかりではつまらないので、今日の講習は金策の講習だ。金策の方法は大きく分けて三種類。
1.戦闘でドロップするゴールドやモンスターの魔符を集めて販売する
2.商売で稼ぐ
3.一攫千金
僕が得意なのは最後の一攫千金だ。
僕「このダンジョンのボスは美味しくない。しかし、道中の中ボスは1%くらいの確率でこの素材を落とすのでこれが儲かる!」バンッ!!
カレー「おおぉぉぉおおおおお。」
ムラマサ「へー。」
テンションに温度差がある。これはもう仕方ない。
僕「この素材を集めて、布にすると5%の確率で高品質の素材ができます。これを10枚集めると割といい金額になります。」ダンッ!!
カレー「へー。」
ムラマサ「なるほどですねー!あれはそうやって作るんですね!」
別に興味を持たなくてもお互いに知らない世界を頭の中に入れておくと、
目の前で起きたレアな儲け話に気づくことができる。
こういった情報戦もネットゲームの一つの醍醐味で、少しでも有利に立ち回ってもらえればいい。
ムラマサ「そういえば、こないだ行ったダンジョンでこういう武器が出たんですけどこれは高いですか?」
僕「?」
ムラマサさんは木の棍棒を取り出した!そしてそれを受け取り確認する。
木の棍棒自体は大した価格ではない。しかし、その棍棒には魔法は付与されており、この魔法が凄かった。
アイテムネーム: 「 ”魔神の” 木の棍棒 」
この付与魔法は剥がすことができ、剥がすことで好きな武器に張り替えることができる。
そしてこの魔法は現在の前衛系の主流付与の一つで中々ドロップしないレアアイテムだ。
僕「これ、凄い高いよ。」
ムラマサ「やった!新しい服買えるかなー?!」
カレー「俺・・・レアドロップとか出たことないや・・・。ムラマサさんより沢山ダンジョンいってるのに。」
欲しがる人に与えられる訳ではない運の星。
ムラマサさんは持っていた。
カレーは持っていない。
ちなみに僕も持っていない。ちきしょー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます