第4話 始まりのダンジョン

始まりのダンジョンには蜘蛛系のモンスターだけが出るらしく、蜘蛛はこの世界では最下級のモンスターだ。

蜘蛛を攻撃することなく這わせておくと、順次蜘蛛の糸を吐き出して細い糸の原料となる。


しかし、ことダンジョンにおいては糸を拾う余裕などはない。

アクティブに襲いかかってくる蜘蛛達がいるからだ。


狼と比べると強さではだいぶ見劣りする蜘蛛も、数が集まれば暴力だ。

初心者が挑むには少しハードルが高い。しかし・・・。


魔「アイスボルトっ!!」

星矢「強撃。」


目の前で繰り広げられているのは蜘蛛達に対する蹂躙に次ぐ蹂躙だ。

流石に中級者には難易度が低すぎるこのダンジョンで、自重という言葉を知らないかのごとく

同行者は暴れていた。仮面の人に至ってはペットを出して背中からハーブらしきものを抜いている。戦え。


僕と友人に割り振られた数少ない蜘蛛を二人がかりで倒していくので危なげもなく

一階層の最終部屋のBOSS部屋までたどり着いてしまった。

魔「ここからが本番だ。」

魔法使いは装備をより整えて魔法の杖らしきものを持ち出した。


スパイスさん「ふふふ、ここのボスは初見だね?楽しみにするといいよ。^^」


意味深な感じでスパイスさんがフラグを立てている。


星矢「開けるぞっ。」


重い重い扉の開く音がする ギギギギギギギギギギギギギ



…… ……、なるほど、このことか。

話は少し戻るが、先程まで戦っていた蜘蛛達は現実の蜘蛛と比べると大きく

膝くらいまでの大きさで横幅も半径50cm直径1mくらいの大きさだった。

しかし、今僕らの目の前にいる蜘蛛は軽くその10倍を超える。


一口で人間を飲み込める口をもっており、かなり広い部屋いっぱいに手足が広がっている。


このダンジョンのボス: 巨 大 蜘 蛛

友人は逃げ出した。

仮面さんはまだ草を抜いている。


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固まっていても仕方ない、敵は向かってくる。

ならば先手必勝だ。先程メンバーにもらったロングソードを振りかざし、巨大蜘蛛に斬りかかる。

「 ザシュッッ 」

やったか?! ←


僕の渾身の一撃は、巨大蜘蛛のHPの約1/50くらい削っていた。

僕も逃げ出した。


すると横合いから星矢と、魔法使いが突っ込んで行った。

流石中級者、巨大蜘蛛のHPをガンガン削っていく。

フハハ圧倒的じゃないか我が軍は←

巨大蜘蛛よ、お前もなかなかの強さだったが僕の敵ではなかったな。←


蜘蛛が床のシミへと消えるのに、約5分だった。

巨大蜘蛛の体が崩れ落ちると同時に、ダンジョンに入っているメンバーみんなのアイテムウィンドウに

宝箱の鍵が届いた。どうやらダンジョンをクリアするとパーティメンバー全員にもらえるらしい。


報酬部屋でそれぞれ宝箱を開けるとそれぞれの宝箱から一定のゴールドとハーブが出てきた。

そして仮面の人の宝箱から木刀のようなものがでていた。少額の当たりらしい。


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ダンジョンを出て地上に戻ると、外は夜だった。現実もいい時間でそろそろ解散時間のため

ここでこのゲームの初日を終えた。

初日からゲーム内の居場所ができた。

望まれていなかったとしても、それ自体はいいことだ。

この世界でも精一杯生きてみよう。

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