また、ここで。

ともか

日常


「あーいちゃん、僕あーいちゃんがすき。」


「涼(りょう)ちゃん、あーいじゃなくてあおいちゃんでしょ?もう…何回言ったら分かるの。」


「でも、ママ、あーいちゃんはあーいちゃんだよ?…ね?あーいちゃん?」


「うん!あおいはあーいちゃんだよ。りょうちゃんがあーいちゃんってゆったらあーいちゃんなの。あおいもりょうちゃんが大好きだもん。」


「じゃ、うちの蒼(あおい)と涼ちゃんは結婚するのかなぁ?」


「うん!ね?あーいちゃん?」



2017年8月1日


昔の記憶の様な夢と蝉の鳴き声と共に目が覚めた。

「どうして夏はこんなに暑いの!」

大声で叫んでいたらベッドの左にある少し開いた窓から、母親の声が聞こえた。

「蒼!あんた何時まで寝てんの」


時計を見るともう昼の12時を回っていた。


「あ!!やば!!今日は知香(ちか)達と海行くんだった!!」


心臓のバクバク音と共に急いで1階に降りていく。


「もう!お母さん!なんで起こしてくれないのよ!」


ガーデニングが趣味の母親は常に庭に居て庭の花に話しかけながら手入れをしている。

花に話しかけたって何にも変わらないのに、どうして花が好きな人は話しかけるんだろう。お母さんはきっとすぐボケるな。

なんて思いながら母親を睨みつけた。


「何回も起こしたわよ、あんたの部屋窓空いてたでしょ?聞こえなかったの?」


お母さんは面倒くさがりだから、いつも庭からあたしの部屋の窓に話しかけてくる。


「やーね、怖い顔して。お父さんそっくり」


お父さんに似てると言われ腹がたった私はまた自分の部屋に戻り服選びを始めた。



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