第四節・第六話

 ――これが、あなたに出会うまでの私です。

 その後は、あなたも知っている通りです。

 

 私は本来、あそこで死んでいるはずでした。

 けれど、あの時あの場にあなたがいてくれたから、私はこの三日間を生きてこれました。

 廃校の朝も夜も。

 廃校で見つけたプラネタリウムも、満天の星空も。

 あの流星群も。

 あなたが私にくれたのです。

 私の命を、彩ってくれたのです。

 ありがとう。

 出会ったのが、前葉君でよかった。

 あなたは最低な人間なんかじゃないよ。

 だからどうか、自分を嫌わないで。自分を愛してあげて。

 あなたは痛みも苦しみも、知っている人だから。

 きっと、優しい人だよ。

 自分を許してもいいんだよ。

 

 最後に。

 傍にいてくれて、ありがとう。

 私は、幸せでした。

 ありがとう。

 さようなら、前葉由貴君。


                                  敬具

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