第四節・第六話
――これが、あなたに出会うまでの私です。
その後は、あなたも知っている通りです。
私は本来、あそこで死んでいるはずでした。
けれど、あの時あの場にあなたがいてくれたから、私はこの三日間を生きてこれました。
廃校の朝も夜も。
廃校で見つけたプラネタリウムも、満天の星空も。
あの流星群も。
あなたが私にくれたのです。
私の命を、彩ってくれたのです。
ありがとう。
出会ったのが、前葉君でよかった。
あなたは最低な人間なんかじゃないよ。
だからどうか、自分を嫌わないで。自分を愛してあげて。
あなたは痛みも苦しみも、知っている人だから。
きっと、優しい人だよ。
自分を許してもいいんだよ。
最後に。
傍にいてくれて、ありがとう。
私は、幸せでした。
ありがとう。
さようなら、前葉由貴君。
敬具
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます