第49話 家へ 2




「んじゃ、まずは風呂だな。3人共泥まみれだし」

「そうだね。ミカド、お風呂の用意してもらっていい? 火龍石と水龍石も使っていいから! 私はご飯の用意をしてるね!」

「了解。マリア達はリビングで休んでてくれ」

「本当に何から何まで...... ありがとうございます」

「ありがとう...... ミカド、セシル」

「ありがと......」

「気にすんなって、そんじゃすぐに用意してくるわ!」


俺は申し訳なさそうに礼を言うマリア達の頭を軽くポンと叩き、火龍石等を置いてある部屋に向かった。


【水龍石】とは、名前の如く火龍石と同じ魔法具の1つだ。

この水龍石の使い方は、水を1滴垂らすと水が溢れ出てくる...... と言う感じの魔法具らしい。


今回みたいに、近くの川まで往復して大量の水を用意するのが面倒な時に大変便利な魔法具だ。

最も、火龍石同様に原料となる魔法石に含まれる魔力には限度があり、そう毎日使える物では無いらしいのだが......


俺は物置部屋から紅い火龍石と薄い青色...... アジュールブルーの水龍石、その他色々必要な物を持って浴室に向かった。


セシルの家の浴室は日本で言う所の五右衛門風呂の様な造りになっている。

つまり、水を張った浴槽の下から火を焚き、水を温める造りだ。


この浴槽は身長が2m近いダンさんが足を伸ばしても尚余りある位かなり大きく、余裕をもたせた造りになっている。小柄なマリア達3人なら、一緒に入っても問題無いだろう。


さてさて。まずはこの水龍石を浴槽の中心に置き、その上に浴室に置いてある桶から杓子で水を少し掬い1、2滴水滴を落とす...... すると水龍石が青色の光を放ち、次の瞬間水が水龍石から溢れ出た。


火龍石の時も思ったが、どういう原理で水が出てくるのか全く理解が出来ない......


科学が進んだ時代に生まれ育った俺には、この魔法具と言うものはまさに未知の道具だ。


浴槽の8割程水が溜まったのを確認して、俺は水龍石を取り出した。

この水龍石は水との接触を断てば、水の出は止まる仕組みになっている。


ん〜...... この水龍石と言うか、魔法具の仕組みが凄い気になる......

いつか時間がゆっくり取れた時、ティナ辺りに魔法具の構造をレクチャーして貰おうかな。


それはさて置き、次に浴槽の下の方に空いている穴の中心に火龍石を置き、持ってきた火打石を打ち付け、火花を火龍石に当てる。


火花が火龍石に当たると、前にセシルが見せてくれた様に火龍石が紅く煌めき火柱を上げた。

1分程経ち、浴槽の水から湯気が出始めたのを確認して俺は持って来たトングを水に濡らして火龍石を掴んだ。


よし、無事に火は消えた。

手を浴槽の中に入れて温度も確かめたが、体感温度で40度弱位。

これで暖かいお風呂の完成だ。


いや、完成とは少し違うか......?

まぁ、無事風呂の用意も出来たし、マリア達の所に戻ろう。


「お待たせ、風呂の用意が出来たから入って良いぞ。

この部屋を出て真っ直ぐの所にあるから」

「ん...... ありがと」

「はい!」

「おう 」


3人は其々頭を下げて、浴室に向かって行った。


「ねぇミカド、3人の着替えはどうしよ...... 」

「あっ!」


ヤバい。そう言えば着替えの事を忘れていた。


今マリア達3人が着ている服はボロボロで汚れも酷い...... 新しい服を用意してあげなければ、風呂に入って綺麗になっても意味がない。


手っ取り早く、久しぶりに授かった加護を使うか......

とりあえずは上着とズボンと...... 下着は...... うん、セシルに任せよう。


断じて丸投げではない、適材適所という奴だ。

だって女性物の下着なんて全くわからねぇんだもん。


「さて...... 召喚っと...... 」


俺は頭の中で久しぶりに【召喚】の項目を念じ、この世界の標準的な上着とズボンを思い浮かべる。

3人のちゃんとしたサイズは分からないから、目算での召喚になるが...... 今日はこれで勘弁してもらおう......


ポゥ......と目の前が光り、リビングの机の上に3着の上着とズボンが現れた。


「あ〜...... セシル。料理中すまんがこれを3人の所に持って行ってくれないか...... あと、その...... 下着もあると3人も嬉しいと思う...... 」

「下着? ミカドの加護で召喚出来ないの?」

「女性物の下着なんて、良く知らないから召喚出来ないんだよ! 言わせるな恥ずかしい!!」

「ふふっ...... わかった。確か買い置きしてたヤツがあったと思うからそれを渡すね?」

「すまんな...... 」

「クスッ...... ミカドって案外初心なんだね」

「ほっとけ!」


料理を一旦中止させてしまったが、セシルはクスッと笑いながら、俺が召喚した衣服を持ちパタパタと2階に上がっていった。

3人の下着を持ちに行ったのだろう。

今の俺は自分でも分かるくらい顔に熱を帯びていた。

他人が見たら、恐らく真っ赤になっている自覚はあるが...... まさかセシルにからかわれるとは夢にも見てなかったぞ......


さて...... セシルが戻ってくるまで料理の監視でもしておこう...... 目を離して火事になるとかシャレにならないしな。


それから直ぐにセシルが浴室から戻って来て料理を再開した。


時折セシルが俺の方を見てニヤニヤしていたが俺は気が付いていないフリをした。


さて、俺は今の内に今日使ったHK416Dのメンテナンスでもして、それが終わったらロフルと遊んでいよう。



▼▼▼▼▼▼▼▼



「ロフルの毛並みは気持ち良いな...... モフモフだ......」

『ワゥ』

「よし!完成!」

「お風呂頂きました」

「お! ナイスタイミングだ」


マリア達が風呂に入ってから約1時間後。


俺がロフルの体をブラシで梳かしていると、セシルが料理を完成させ、それと同時にタイミング良く、頬を上気させたマリア達が浴室から戻って来た。


泥と埃に塗れていた彼女達だが、その汚れを落としただけで見違える様に様変わりした。

3人共それぞれ違った可愛らしさがあったが、綺麗になった事でそれが更に際立っている。


見た限りでは3人が着ている服のサイズも問題なさそうだ。


下着に関しては知らん。


「着替えまで貸してくださりありがとうございます」

「良いって良いって。あと、その服はやるよ。ボロボロの服なんか着たくないだろ?」

「ほんと? ありがとミカド...... 」

「助かります! ありがとうございます!」

「まぁ...... くれるってんなら有り難く貰うよ」


ドラルが満面の笑みを浮かべて頭を下げた。つられる様にマリア、レーヴェもペコリと軽く頭を下げる。

召喚した服をあげると言うと、彼女達は目をキラキラさせてお礼を言ってくれた。


ただの服だが喜んでもらえた様で嬉しくなる。


「さぁ皆〜 ご飯も出来てるよ〜」

「...... 配膳、手伝うぜ」

「私も手伝う...... 」

「あ、私も手伝います!」

「本当? 助かるよ!」


セシルがリビングと繋がっている台所から声をかけるとレーヴェが率先して、料理が乗っているお皿や取り分け皿の配膳を手伝い始めた。


俺は余り大人数で手伝っても邪魔になるだろうと考え、椅子に座ってロルフを撫でながら美少女4人が和気藹々と食事の準備をする様子を眺めるのであった......


うん、眼福です。


「それじゃ! いただきます!」

「「「「いただきます!」」」」

『ワウ!』

「どれも美味しそう...... 」

「そうだな、どれから食べるか迷うぜ!」

「こら! 行儀良くしなきゃダメでしょ?」


手早く配膳を終えたセシル達は皆それぞれ椅子に座り、皆揃って頂きますをする。


やはりマリア達はお腹が減っていたのだろう。

目の前に置かれた料理の数々を見て、歓喜の声を上げていた。


机の上には、この前食事をしに行った満腹食堂に負けず劣らずの量の料理が置かれている。

特に凄いのは机の真ん中に置かれている肉の丸焼きだ。こんな肉の塊、どこから持って来たんだ......


それにても、こちらの世界に来てこんな大人数での食事は初めてだ。


マリアはこれまで見た表情の中で1番の笑顔を浮かべる。

レーヴェは少し前まで萎縮していた様だが、今はフォークを片手に机に並べられた料理をどれから食べようか迷っている。

ドラルはそんなレーヴェを見て姉の様に注意していた。


やっぱり女の子は笑顔が1番だな......


さて、今日はマリア達にお腹いっぱいになるまで食べさせ様とは思うが、俺も狩り終わりで腹が空いた。ちょっとは腹に入れなきゃな。



▼▼▼▼▼▼▼▼



「「「「ご馳走様でした!」」」」

『ウォォン!』

「はい、お粗末様〜」

「お腹いっぱい...... 」

「こんな腹いっぱい食ったのなんて初めてだ!」

「本当に美味しかったです!」


俺達の目の前にあった筈の料理の山は、30分もせずに綺麗さっぱり消えていた。

この並べられた料理の内、少なくとも7割は確実にマリア、レーヴェ、ドラルが食べ尽くした。

正直な所、腹六分目くらいだがマリア達の幸せそうな顔が見れたから、多少の空腹なんて気にならなくなるから不思議だ。


「くぁ......」


お腹が膨れ、眠くなったのかマリアが可愛らしい欠伸をした。

時刻もそろそろ夜中と言っていい時間帯だ。眠くなるのも分かる。


「ミカド、私は3人を客室に案内するね?」

「了解。頼む」

「ありがとうございます......」


セシルもマリアの欠伸に気が付いたみたいだ。ドラルも眠そうに目を擦っている。レーヴェはまだ平気そうだが、暫くすれば眠くなってくるだろう......


幸い、この家はダンさんが仲間の狩人さん達も一緒に泊まれるようにと、俺が借りている部屋を含め4つの客室が作られてある。

今日は残り3つの客室にマリア達は泊まってもらう事になるが、客室はセシルがいつ誰が来てもいい様に、定期的に掃除をしていたから綺麗なはずだ。


俺はうつらうつら船を漕ぎ出したマリア達を見送った。

さて、この後セシルと色々話し合わなきゃな......


「3人共ベットに入ってすぐに寝ちゃったよ」

「ありがとうセシル。やっぱり疲れが溜まってたんだろうな......

今くらいは、ゆっくり休ませてやろう。あ、あとマリア達の事でちょっと相談がある」

「相談?」


セシルが目の前の椅子に座った事を確認して話し出した。

ここから話す話題は、全てマリア達の今後に関わる事だから真剣に話さねば......


「あぁ、まずマリア達が行くはずだった【明かりの家リヒト・ハウス】だけど、 何処にあるか分かるか?」

「えっと、詳しくは分からないけど...... 前にお父さんがギルドの依頼で行った事があるって言ってたの。

詳しい事は明日ギルドに行って、明かりの家に奴隷商人に襲われたマリアちゃん達を保護してます、って手紙を出したいって言えば、詳しい場所を教えてくれると思う......

仮に、明かりの家が遠くてもギルドが手紙を配達してくれると思うよ」

「ギルドは手紙の配達もやってるのか?」

「うん、さすがに毎日じゃないけど。

月に何回か、まとめて各地方に配達してくれるんだよ。緊急の連絡とかは即日送ってくれるみたいだけど...... 」

「なるほど...... なら明かりの家への連絡の件は大丈夫だな...... 」


この世界にまさか郵便制度が有るとは思わなかった......


だが、江戸時代には飛脚と言う配達制度が有ったし、この世界で郵便制度が有っても何ら不思議な事ではないな......


これで明かりの家の件は大丈夫だ。

問題は次だ......


「なぁ、もしマリア達がここでずっと暮らしたいって事になったら...... どうする?」

「どうするって?」

「正直、今はギルドの依頼をこなしまくってるから金銭的に余裕は有るけど、それがずっと続く訳じゃない...... そうなってくると、今の俺達にあの3人を食べて行かせられるか不安でな...... 」

「それは私も考えたよ...... でもそうなったら私達が今以上に頑張れば良いんじゃないかな? せめて独り立ち出来るくらいまで...... 」


そう、1番の問題はマリア達の今後だ。


もしマリア達が明かりの家に行かず今後もこの家に住む事になったり、もしくは行くに行けない様な状況......


例えば、怪我をして移動が困難な状況になったりした場合はどうするか......

他にも、今回みたいに移動中に奴隷商人らに襲われる可能性もゼロでは無い。


俺達が明かりの家まで送れば、その様な事にはならないだろうが......

結構な額の旅賃が必要になるだろう......


そう言った数多の可能性を考慮すると、どの選択が1番セシルを含めた皆の為になるのか...... 俺にはわからなかった。


俺が考え無しに行動してしまった結果、3人を救う事になってしまったから、途中で3人の事を放り出すなんて無責任な事は出来ない。

でも、かと言って今後も今の様な生活が出来ると言う保証も無い。


金銭面などが主にそうだ。

今はまだ多少金銭的に余裕が有るとは言え、今後必要になるだろう生活必需品や不慮の事故...... 怪我をした際の治療費等色々とお金が必要になるだろう......


そうなった場合、セシルが言った様に俺達が更にギルドの依頼をこなすか、マリア達に働いてもらう事になるかもしれない......


「そりゃ助けた手前、そうするつもりだけど...... 独り立ちね...... 」


この世界は日本と違い、18歳で成人と認められている。


つまり、ドラルはあと2年。レーヴェは3年。マリアに至っては4年、成人になるまで必要になる。

正直な所、この年数を何不自由なく生活させてあげられる自信は今の俺には無い。

セシルの考えは違うのかもしれないが、楽観視は出来ない......


これは2人で考えるには荷が重すぎる......

後日、当事者のマリア達も踏まえて相談した方が良いかもしれない。


「セシルの考えは分かった。一先ず明日は、ギルドに依頼の報告と、マリア達を助けた事を伝えて明かりの家の場所を聞きに行こう」

「分かったよ...... 」

「んじゃ、俺達も休もう。流石に疲れた...... 」


俺の一言をもって、なんとも気まずい雰囲気になってしまった話し合いは終了した。

俺とセシルはお互い複雑そうな表情のままリビングを後にし、自室に戻って行く。


「さて...... どうなる事やら...... 」


俺も自室に戻り、ベットに体を預ける。

セシルがいつの間にか布団を洗ってくれたのか、布団は温かく良い香りがする......


「ん?」


すると、不意に机の上に置いてあるお守り...... 咲耶姫がくれた馗護袋が赤く輝きだした。


そう言えば咲耶姫から通信が有るのは随分久しぶりな気がする......

最後に話したのは何時だ?

確かダンさん達がルディに殺された時以来か......


「よぉ...... どうしたんだ」


約1ヶ月ぶりの会話に、ある種の懐かしさを感じながら俺は馗護袋を手に取り握りしめた。


「久しいの帝よ。何やら楽しい事になっているではないか」

「あ? 楽しい事? 色々と考える事が出来て、楽しい事が有った記憶が無いんだが」

「何を言うか。1つ屋根の下で妾と同レベルの美少女と生活しておるのじゃろう?

しかも今日、新たに可愛らしい女子が3人も追加じゃ...... 何じゃ、お主はドラマやゲームの主人公かなにかかえ?」

「あぁ...... 」


そう言えばそうだ。

成り行きでセシルと暮らす事になり、更に今日そこに3人の美少女が加わった。


元居た世界では漫画やゲームの中でしか考えられないような状況...... そんな状況に俺が置かれている事を今更ながら自覚した。

向こうの世界の人達から見たら「リア充氏ね」とか言われそうだ。


当の咲耶姫から発せられる言葉にも、怒りが込められいる気がする......

と、言うか小さな声で......


「妾だって、いけめん達と1つ屋根の下で生活するという夢が出来たと言うのに...... 相手が女とは言え何故...... 何故帝だけ......羨ましい...... 恨めしい...... 」


殺気を込めた呪詛を垂れ流していた。

今度は逆ハーレム物のドラマにでもハマったのか此奴は......


とりあえず触らぬ神に祟りなしって事で無視しよう。


「そう言えばそうだな。で? そんな事を言う為だけに連絡してきたのか?」

此奴こやつに女難の相が出る呪いを...... ん? あぁ、そうじゃ...... と言いたい所じゃがの...... お主また、くよくよと悩んでおるな?」


おい、今なにか危ない単語が聞こえたぞ。女難とか呪いとか......


「...... あぁ、むしろコッチに来てから悩まなかった日は無いくらいだ」

「やれやれ...... そんな悩みっぱなしで情け無いお主に、有能で寛大なわらわが助言をしてやろうと思っての」

「そいつは有り難い。是非ご高説賜りたいな」


どう考えても危ない単語を何とか無視した俺は、平然を装う咲耶姫の話に耳を傾ける。

咲耶姫の助言か...... なんだかんだで此奴の助言は背中を押してくれる、と言うか勇気が出てくるんだよな......


俺が咲耶姫に対する言い方が多少トゲトゲしいのは、素直に嬉しい気持ちを出すのが恥ずかしいからだが。


「お主なら何とかなるじゃろう。じゃから余り深く考え過ぎるな。それだけじゃ」

「...... はっ!? そんだけ!? おい!他にもっと為になる助言はないのか! おい!?」


咲耶姫の助言...... と言うには大分雑で、投げやりな事を言い放ったロリババアは一方的に通信を終わらせた。


馗護袋から紅い光が消えたから俺の声は咲耶姫には届かず、静まり返った部屋に響き渡るだけだった......


「彼奴...... もしかして俺に八つ当たりする為だけに、適当な理由を付けて通信して来たんじゃないだろうな...... 」


と考えたが、真相は闇の中なので直ぐに俺は考えるのを止めて意識を暗闇に手放した。



一方的その頃、ラルキア王国王都ペンドラゴのとある建物の一室では......


「ふ、ふふふふ...... あと少し...... あと少しで完成するわ......!これが完成したら...... ふふふ!!」


書類や本が散乱している大きな部屋の中心で魔術師、ティナ・グローリエは巨大な球体に向かい合い、その球体に幾何学模様の術式を書き込んでいた......



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