第11話
「この店は事務官の柏木さんに教わって何回か来たんですけど、なんでも美味しいですよ」
久賀が案内してくれたのは、普通の民家のような定食屋だった。実際、二階から上は住居になっているようで、ベランダの物干に一枚だけ干された白いTシャツが夕闇に青く染まっている。雅季はガラスの引き戸を開けた久賀に続いて入った。店内はほどほどに混んでいる。
「うちは東口なので、駅の反対側にこんなお店があるのは知りませんでした」
一番奥の、テレビの下の席につき、雅季は言った。
内装も小綺麗ではあったが、木の椅子やテーブルには年季が感じられる。地元の常連客が店員に挨拶する声が聞こえた。
「仕事抜きで、とにかく美味しく食事をしましょう。とりあえず、ビールでいいですか」
雅季が頷くと、久賀はおしぼりを持って来たエプロンを着けた女性にビールを頼んだ。
「メニューはあの壁にかかっているだけなんです。選択肢が少ないって楽でいいですよね」
「あ、確かにそうですね。選ぶのって意外と時間かかりますね」
雅季は手を拭きながら壁に掛かっているプラスチックの短冊に目をやった。定食はどれも八百円以下だ。サイドメニューはコールスローサラダに豚汁。卵焼き。
「私、アジ南蛮にします」
雅季は畳んだおしぼりを脇に置いた。
「実は、裏メニューがあるんですよ、ここ」
雅季は声を落とした久賀の方へ、思わず身を乗り出した。
「冬限定らしいですが、ミネストローネスープが絶品です。柏木さんがリークしてくれました」
「ミネストローネ」
この普通の定食屋にミネストローネ。なぜか胸がわくわくする。誰かと秘密を共有するなんて、いつぶりだろう。ビールが来て、料理を注文した。久賀は味噌カツ定食で、もちろんミネストローネも頼んだ。久賀が満たしてくれたビールのグラスを合わせる。
「久賀さんの、好きな人は食事に誘わないんですか」
雅季はそれを口に出したせつな、どうしてそんなことをと、自問した。
「誘ってますよ」
答えは聞かずとも明白。それでも自分はそれを相手の口から聞きたかったのだろうか。
「初めて誘いました。けっこう時間がかかりました」
もう、十分だ。仕事仲間に対する身上調査にしては行き過ぎだと自粛する。
「久賀さんの時間をこうやって無駄にすることはないんですよ」
「無駄じゃありませんよ。どうせ食事はしなくてはいけませんし。篠塚さんこそ、最後に包丁持ったのいつですか?」
「わ、私は妹と二人暮らしで、家事分担で食事はほとんど妹が……。休みには私だって作りますし、ただ、その休みが取れないだけで……久賀さんこそ料理するんですか?」
久賀は自信ありげに頷いた。
「仕方なくではなく、好きな方ですね。といっても材料を切って炒めて、とか素材を鍋ごとオーブンに入れて、とかそんな料理ですけど。鍋やパンはル・クルーゼです。特別手間をかけなくても美味しく出来ます」
「あ、あの高くて重いやつですね」
「そう。凶器になります」
雅季は思わず笑った。
「でも、できた料理も殺人的に美味しいです」
「間違いなくホシですね。送検しないと」
「雅季さん、私が料理するって、信じていないでしょう」
「立証するのは難しいんじゃないですか」
「確かに。証人はいまのところいませんから」
それはつまり……。これは特に刑事の勘を働かせなくても彼が仄めかしていることはわかる。
でも、だから? 返事に窮し、久賀の視線を痛いほど感じながらビールのグラスに手を伸ばしたところで、ミネストローネが運ばれて来た。トマトの香りが食欲をそそる。「どうぞ」と久賀に促され、白い陶器に入ったスープを口に運んだ。
「あ……美味しいです」
「美味しいですね」
久賀も顔を綻ばせた。具沢山のそれは、トマトの酸味が丸くなって、優しく胃にしみる。
「晴美ちゃんは、大丈夫ですか?」
「まあ、あまり顔を合わせることはないですが、ラインを送ると、返事はちゃんと来ますよ。
最近、どうも気になる異性がいるようで」
「早い……。でも、遠目からでしたけど、久賀さんに似てますよね。可愛いから、心配ですね」
久賀は笑った。こんな屈託ない表情は初めてで、雅季は直視できずにスープに集中した。
「高校生なんて、そんなもんじゃないですか? 一応、気をつけるようには釘を刺しておきましたけど、かなり入れ込んでいる様子です」
やがて料理が運ばれ、早速箸をつける。
「そもそも、篠塚さんはどうして刑事になったんですか?」
雅季の箸の動きが止まった。
「仕事抜きで食事をするんじゃなかったんですか?」
「でも、こういう話は仕事中に出来ないじゃないですか」
雅季は露骨に眉をひそめる。
「まさか、話すまでは食事が終わってもここを動かないとか?」
「まあ、今夜はそれくらいしてもいいですね。篠塚さんは明日お休みですし」
久賀は嬉しそうに言った。
「話さないと、また署で地取りするとか?」
「十分あり得ますね」
雅季は小さく肩をすぼめた。
「とりあえず、話すか話さないかは食べながら考えてください。食べながら喋れませんしね。私も話を聞くならちゃんと聞きたいですし」
久賀の提案で、二人はしばらく食事に専念した。テレビは刑事ドラマをやっているらしく、クライマックスなのか、頭上からは銃撃戦が聞こえた。
「あ、久賀さん、もしかしてきゅうり苦手なんですか」
付け合わせの漬物はきゅうりと茄子だったが、久賀の小皿にはきゅうりが残っていた。
「はい。すみません。苦手と言うより、もう無理です」
久賀は顔を思い切りしかめる。意外だ。完全無欠に見える彼にも苦手があるなんて。
「じゃあ、私、これ、いただいていいですか」
「どうぞ」
「すいかとかメロンもだめですか」
「いえ、それは大丈夫なんですけど」
漬物を食べ終わった雅季は、箸を置き、二杯目のビールで喉を湿らせた。姿勢を正して久賀を見据える。
「公式とそうでない方、どちらが聞きたいですか?」
「2バージョンあるんですか?」
そう言いつつも久賀はあまり驚いていないようだった。実はそれ程雅季が刑事になった理由を気にしていないのかもしれない。真に受けた自分を自嘲した。
「公式のほうは、『住民の安全を守り、社会の安定に貢献出来るような仕事に就きたいと思ったから』です」
久賀は眼鏡の奥で目を細めた。
「そんな話、署員の皆さんは信じているんですか?」
「始関さん以外は、おそらく」
「警官になるには身元調査がありますからね。それで、非公式な方は?」
雅季は目に力を込めた。今から話す事実に同情は不要だ、というサインをこれで与えたつもりだった。過去のことだと。もうなんでもないのだと。
「それに関してはまだF市鷺沢署の生活安全課に調書があると思うのですが。私、強制わいせつ行為の被害者なんです。十歳の時、下校時に男に刃物で脅されて路地に連れ込まれた。ガムテープで口を塞がれた状態で性器を弄ばれ、挙句、犯人の男性器を握らされて。犯人の射精したもので、スカートを汚されました。その直後、近くで車が止まった音がして、それで男は逃げました。要するに強姦未遂ですね。だから、悔しくて……」
「怖くて」と続けそうになるのを、雅季は残ったビールで流し込んだ。久賀は一言も発さず、思案げな表情を浮かべて雅季を見ている。掛ける言葉を探しているのだろう。やはり、同情されているのか。ビールの苦味が口内に広がる。後悔の味。
「驚きました?」
「驚きませんよ」
相手の即答に、雅季が驚いた。そして、すぐにその理由に思い当たると、こみ上げた怒りにテーブルの上で拳を握った。
「もしかして、すでに調べて知っていたんですか? その上で、私に話させたんですか?」
「知っていたのは本当です。でも、調べてはいません。見ていたんです。一部始終を」
「え?」
雅季は自分の耳を疑った。見ていた? 見ていた? 久賀が? 何を?
虚を突かれ、言葉を失った雅季に、久賀は雅季が当時住んでいたマンションの名を挙げた。
確かにそこには事件が起きるまで住んでいた。
「私も、あの頃あそこに住んでいました。うちが四階、篠塚さんは三階でしたね。私は小学校が私立だったので、朝は早いしほとんど顔を合わせませんでしたけど」
店員が食事の済んだ盆を下げ、お茶を持ってきた。雅季の口内はカラカラに乾いていたが、手を伸ばせなかった。体が動かない。
久賀は静かに続けた。
「一度大雪が降った冬、マンションの前の道路で登校前の篠塚さんが、雪合戦しているのをベランダから見ました。妹さんと、登校班の子たちと。そのとき私はインフルエンザで家にいたので。羨ましかったですよ。篠塚さん、コントロールいいですよね。男子が逃げ回って」
そうだ。そんなこともあった。それは男に襲われる前の冬だ。あの時、自分はまだ幸せだった。半年後に悪夢が待っているなど想像もしなかった。
「そして、うちのキッチンの窓は、マンションと隣の酒屋に挟まれた袋小路の真上なんです。酒屋の前に積まれたケースで通りからは死角でしたよね。あの事件のあった夏の日は暑くて、学校から帰ってクーラーが効くまで窓を開けたんです。その時、眼下に動くものが見えて。女の子の前に、男がうずくまっていました」
「見ていたなら、なぜ……助けてくれなかったの?」
やっと、喉から声を絞り出した。
「どうやって? 声を上げて? 小学三年生の男子に何が出来たって言うんです? ……いや、違うな。あの光景に釘付けだったんだ。声なんて出ませんよ」
久賀は回想するかのように雅季の向こうを見つめた。
「私はあのとき何が起こっているのか理解していなかった。まだそこまでの知識もありませんでしたし。分かったのはもっと後です。ただ、もの凄く怖いこと、というのは漠然と感じていた。恐怖を感じながらも最後まで、男が酒屋のバンの音を聞いて逃げるまで目が離せなかった」
久賀は茶を一口飲んだ。
「あのあと、事件のことを両親が話しているのを耳にしましたが、私はとにかく怖かった。あの光景も、自分が目撃していながら黙っていたことも。恐怖は後になってさらに大きくなって。だから、それについて誰かに話したことはありません。のちに犯人は捕まりましたけど、篠塚さん一家の引っ越したあとでしたね。でも、自分でもかなりショックだったんでしょうね。夜尿症になりましたよ。幸い、中学に上がる前に治りましたが」
なぜか、とてつもない罪悪感に襲われ、雅季は思わず顔を伏せた。
「ごめんなさい」
あの事件では自分だけではなく、久賀少年も傷ついていたのだ。自分がもっと注意していれば。自分に隙があったから、あんなことになったのだ。
「悪いと思うなら、私を受け入れて下さい」
「え?」
「私を、あなたのものにしてください。学生時代、何人か彼女がいましたけど、駄目だった。目に焼き付いたあの光景が邪魔をして。そして、いつの間にかあの男が私になっているんです。相手はいつも小学生の篠塚さんになっているんです。篠塚さん、どうして私が今ここにいるかわかりますか? 偶然、私がここに座っていると思いますか?」
「久賀さん……、何を言ってるんですか?」
話が見えない。久賀があの事件を見たという告白だけでも衝撃的だったのに、この話の展開は一体。疑問符が頭の中をぐるぐるめぐる。
「検事が刑事を口説いてはいけないという法律は、ありません」
久賀の眼があまりにも真剣で、逸らせられない。これ以上聞いてはいけないと、頭の後ろで警鐘が響いているのに、耳を塞ぐこともできない。
「私は私立高校に進学しました。二年になると、新入生が入ってくる。私の所属していた弓道部に……
梓。妹だ。そういえば、私立の進学校に入学した妹は、三年間弓道部にいた。梓から久賀という名を聞いたことがあっただろうか?
「私は相当厳しかったらしく、下級生の嫌われ者でしたから」
雅季の心を読んだかのように、久賀は苦笑した。
「でも、話しかければ篠塚梓はよく喋ってくれました。姉が警察官を目指していることも。だから、私もそっち方面に進もうと決意したんです。まあ、でも警察は嫌いなので、検事になりましたけど。それで、あなたを追ってきたんです」
雅季は震えないように湯のみを両手で掴み、時間をかけて温い茶を飲んだ。
「そんなの、信じられません。もし、私に会いたかったなら、梓に頼めばよかったじゃないですか。家に遊びにくるとか……」
久賀が片手を上げ、話を遮った。
「篠塚さんが信じようが信じまいが構いません。でも、私は私の運を、運命を試したかった。そして、現にここにいる。あなたの目の前に。何のために? 私はあなたのものになりたい。受け入れられたい。側にいたい。それだけのためです。私は、諦めません」
「でも……、だって、久賀さんには好きな人がいるって言ったじゃないですか」
久賀の唇が「え」と薄く開いたが、すぐにその口角が上がった。
「だから、篠塚さんですよ。晴美の買い物に付き合ったときだって、篠塚さんに……好きな人のこと考えて塩大福買って来たじゃないですか。和菓子、好きですよね? ここにも誘って来たわけですし。だから、相当時間がかかったわけですが」
「あ……」
それは、てっきり。雅季の胸の中でずっとわだかまっていたものがするすると解けて行く。ふわりと軽くなる。急に綻んだ胸が高鳴る。なんだろう。目の奥がじんとする。
「私は全て見ていた。全世界の、犯人以外の男は知らないあなたの過去を私は見ているんです。私一人だけ。これがあなたにとって何を意味するか、考えてください」
久賀はテーブルに伏せられていた伝票を手にした。
奢るという久賀に、雅季は譲らず割り勘にした。外に出ると足元から冷気が上ってくる。骨の髄に沁みるような寒さ。今夜は雪になるかもしれない。久賀が髪ゴムを取った。
「髪を下ろすと少しは温かいですよね」
久賀の珍しい長髪姿に見入っていた雅季は、微笑まれ、慌てて目をそらした。そうだ。綺麗な顔の男の子。ほとんど顔を合わせなかったと言っても、同じマンションに住んでいれば、エレベーターや公園では見かけていたはずで、隣の久賀の顔とおぼろな記憶の少年の顔が頭の中でぼんやり重なった。
「まだ九時前だし大丈夫」と雅季が言っても、久賀はついてきた。街灯の照らす夜道を、二人は無言で歩いた。
肩をすぼめたサラリーマンが後ろから追い越して行く。今更になって、久賀の告白が響いていた。少し冷静になった頭で考えると、愛の告白にしてはかなり屈折しているように思う。まず、最初から雅季の気持ちは含まれていない。でも、なぜか悪い気はしなかった。むしろ、そのひたむきさに打たれた。ただ自分には、あの事件からずっと異性を避けている自分にはそれをどう受け止めていいのか、わからない。
多分、返事はしないだろう。彼はああ言ったが、諦めてもらうのがお互いにとってベストだ。
いつの間にか、アパートの二階にある部屋の前まで来ていた。バッグを探って鍵を出した。
「送っていただいて、ありがとうございました」
「どういたしまして」
ドアに向いた雅季の背に久賀が声をかけた。
「明日は一日庁舎にいます」
「はい」
向かいの部屋から微かにテレビの音が洩れている。
「お向かいさん、おばあちゃんの一人暮らしなんです。少し耳が遠いみたいで、テレビの音、大きいんです」
「ええ」
こんな情報、久賀に必要ないはずだ。早く、帰ってもらわないと。雅季はそれを伝えようと久賀に向き直った。
「おばあちゃん、『隣に刑事さんが住んでいるから、安心ですよ』って、会うといつも声をかけてくれて」
「はい」
違う、こんな話をするつもりじゃなかった。寒い中、いつまでも立たせていたら風邪を引かせてしまう。鍵を握り締め、俯いた雅季の足下に不意にぽつりと何か落ちて来た。顔を上げると、久賀の後ろの鈍く光る灰色の雲から、まるでふるいに掛けているようにはらはらと牡丹雪が吹き込んで来た。屋根など関係なく、それらはどんどん廊下に舞い込んで来た。
「雪が」
雅季は、久賀の肩までの髪についた雪を払おうと、手を伸ばした。相手の体が自分の方へ少し傾く。雪を払った手は、コートの肩に触れた。久賀は雅季を穏やかに見つめたまま動かない。だから……。
雅季の両のヒールが少し浮き、一瞬止まって、下りた。ヒールが廊下に着地した微かな音は、雪の降る音に消されてしまうほどだった。
「また、明後日……」
声が震えているのを久賀は気付いただろうか。相手はまだ雅季を見下ろしたままだ。そのなにも語らない視線に耐えられずに雅季は体を反転させ、鍵を鍵穴に差し込んだ。
「おやすみなさい」
久賀の低い声に、ノブを下ろしかけた手が止まる。雅季は顔を上げ、遠ざかる久賀の広い背中を見送った。
*
久賀は家に着くと、靴を脱ぐのももどかしく、明るい居間に飛び込んだ。テレビは付けっ放しで、ローテーブルには空のグラスと口の開いた袋菓子が載っている。晴美の姿はない。ソファを回り込むと、そこに伸びている物体を発見した。爆睡している。その上から覆いかぶさるように両肩を抑え、揺すった。
「おい、起きろ。晴美、晴美」
だらしなく半開きになった口から「ん」と声が漏れる。うっすらと瞼が開いて白目が見えた。
「晴美。おまえ、キスしたことあるか?」
「あ、おかえり、丞くん。あー、寝落ちしたー」
眠そうに目を擦りながら、晴美はむくりと身体を起こした。傍のリモコンでテレビを消す。
「おい、おまえキスしたことあるか」
「はあ? 何よ。そりゃあねえ、一応、彼氏いたし。でも、いきなり、なんで……あっ、もしかして丞くん……! キスしたの!? 奪っちゃった?」
「いや、された……」
「えっ、篠塚さん、見かけによらず積極的なんだね!」
晴美は目を輝かせてぐっと身を乗り出した。
積極的……? いや、違う。あれは、たぶん保身。被害をこれ以上大きくしないための。彼女が考えた精一杯の護身。または、精一杯のごめんなさい、か。これで諦めろ、か。
なんであんなに震えるんだ。あの行為そのものが彼女にとって初めてなのは想像がつく。それにしても。
「ちょっと、なんで黙ってるのよ。あー、もしかして今、キスシーン絶賛再生中? 丞くん、いやらしーい」
「あれ、そうだったのか……?」
「え? なに? どういうこと? キスされたんじゃないの? されてないの? もしかして妄想し過ぎて現実と混じっちゃった? やばいよそれ」
キス? いや、あれは『封印』だろう。確かに、その効果は絶大だった。俺、彼女にもう何も出来ない。
「なんなの? 変な丞くん。もう、あたし先にお風呂入っちゃうね」
第三ラウンドで、俺のKO負け。久賀は晴美のいなくなったソファに頭から突っ伏した。
この敗北感たるや。
立て、立つんだ、丞已……。最初からうまく行くわけがないじゃないか。手の内は全て見せた。そうだ。さらけ出した以上、もう遠慮はいらない。
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