「さて、願いは叶えたよ。さあ、みんなはこれからどうするんだい？」

　やっと、私の人生がスタートするんだ。

「私は搭を降りて、村の皆に話してから旅に出るよ。世界を見てまわりたいから」

　ユウちゃんの記憶を見てたら、世界を巡りたくなっちゃったんだ。村の皆には、私が上手く説明するって、昨日二人で話してたんだ。

「私は暫くこの塔に残るよ。塔から余所者が降りてきたら、ね。ほとぼりが冷めてからは、私も世界をまわりたいから、旅に出るよ」

「俺も、ユウと一緒にいるよ。昔約束したからな」

　いいなあ、約束。自由なんだから、全ては自分で決められる。だから私も、皆と約束しよう。

「じゃあ、二人とも暫くよろしくね。……ノエルはちゃん、村が慌ただしくなってるから、今すぐにでも搭の下層に送りたいんだけど、大丈夫？」

「うん、大丈夫だよ。おじいさん、ユウちゃん、ソラくん、いつかまた会おうね。約束だよ」

　約束、ちゃんと守ってね。

「またね！」

「元気でな」

「さ、行くよ」

　＿＿＿＿＿＿＿＿

「約束、増えちゃったね」

「ああ。絶対に守らないとな」

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