遠藤君の日常は腐っている。

桐音翼

第1話やはり俺の日常は腐っている。

朝、それは一日の始まり。


人はその日その日を生き抜くためにある者は計画を立て、またある者はもうその計画を進めているのかもしれない。


この少年、遠藤翼もその一人だ。


朝六時に起き、眩しい朝日を全身に浴びて元気に朝の運動を始めた。


翼の部屋は一戸建てのリビングのような広さで快適、クーラー完備、最高。と言った雰囲気だ。


要するに金持ち。


父は政治家、母はファッションデザイナーの有名どころ。


少年自体のスペックもまた高かった。


文武両道、才色兼備。

スポーツも勉強も常にトップ。そして顔もイケメン。

まさに完璧超人であった。


そんな恵まれた彼には一つひねくれた部分がある。




他人の視線が大嫌いなのだ。




今もまた考えている。


ー 何かあるたびに俺のことを見る奴はなんなんだ。他人を見て何が楽しい?


そしていつもこの結論に至る。


ー 世の中の人間の興味が俺に向かなくなればいいのに。そうすれば俺はもっと自由に生きられるのに。




カンカンカンカン。




それは突然に現れた。



「お主の願いを叶えてやろう。」



「なんだ、新手のドッキリか?」


部屋の天井からすり抜けて銀髪の幼女が出てくる。


彼女は宙に浮いていた。


「ドッキリではない。我が名はアルエリス。お前らの世界では神と崇められているものじゃ。」


「現状から考えるとそうらしいな。で、俺の願いを叶えるって?笑わせるな、どうやって叶えると言うんだ。」


「今からワシのできる最大の魔法をかけてやろう。その内容は、家族、そして一人の異性には発動しない。それ以外の人間にお前に対する興味を持たないようにしてやる。」


ー ほう、面白い。


あいにく俺は神などは信じないたちだ。しかし今この女は俺の願いを叶えられる、と言った。


ー 面白い、実に面白い。


「いいだろう神とやら。お前のその魔法受けてやる。」


「わかった、ではまっすぐ立て。...たまに失敗するとボンってなるけど...。」


「今少し物騒な言葉が聞こえたが?」


「ききき、気にするな!?すぐ終わる。」


頬を赤らめそわそわする幼女。



ー ......可愛いな。


「可愛いと思ったか?」


「お、思っとらん。...早く済ませろ。」


~五分後。


「終わったぞ。これでお前は自由の身、じゃが一つやらねばならんことがある。」


「なんだ、一応聞いておいてやる。」


「お前にかけた魔法を受けない一人の異性を見つけ交際することじゃ。」


ー 面倒臭い。胡散臭い。反吐が出る。


「馬鹿馬鹿しい。だが頭の片隅にでも置いておこう。」


「......そうか。我はそろそろ失礼する。また何かあれば現れるだろう。」


「わかった。もし効果が無かったら呪うぞ。神とやら。」


「それはあり得んので心配ないな。ではさらばじゃ。」


幼女の姿がフッと姿が見えなくなった。


「......行ったか。」


この時彼は知らなかった。



これから地獄のような腐った日々を送らなければいけない事に。









世界観は現代日本に酷似しています。

そこらへんは宜しくお願い致します。



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