知人のEYE
私は他人の目を気にしてしまう。
「みんな私をどう思ってるんだろう」
「こんなこと言ったら嫌われるのかな」
びくびく震え、毎日を過ごしている。
ある日私の知人がにこやかに近づいて来て、私にこう言った。
「キミと話がしたいんだ」
なんてことだ。どういうことだ。何が言いたいんだ。
わからない。他人のことがわからない。
でも同時にその知人の目を見ると、その目は笑っていた。
そのとき私は気がついた。
私は他人の目を気にしているふりをして、他人の目を見ないようにしていたんだ。
心に蓋をして、互いに見つめ合うような経験を避けていた。
他人の目を、はじめてよく見たような気がした。
知人の目には、愛が籠っていた。
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