1分でわかる逆ハーレム!!!

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最終話 『みそ汁』

 「いっふぇなぁ〜い☆ひほふひほふ〜☆」


 私、吉田・プリンセス・よしこ!!どこにでもいるごくごくごくごく(牛乳を飲む音)ぷはぁっ、普通の女子高生!!


 今日から高校生なのに、出だしから2時間寝坊なんて参っちゃうわ!もうっ、よしこったらクソマヌケ☆

 でも朝ごはんは食べなきゃだから、自家製の麻婆豆腐を皿ごと咥えて登校中!!昨日できた口内炎に染みまくるわこれ!


 「ふぁっ、ふぁほこのかろをまらればがっこうだふぁ!(あっ、あそこの角を曲がれば学校だわ!)」


 ボトボト落ちる麻婆豆腐を尻目に、私はひたすら走る!ごめんね豆腐と片栗粉と豆板醬、大地の糧になって!


 そして角を曲がろうとすると……


 ドンッ!


 「きゃっ! 」


 突然飛び出してきた人にぶつかっちゃった!私は勢いよく転び、麻婆豆腐を地面にぶち撒け、バキボキ骨が折れた。尾骶骨持ってかれたわね多分!


 「「「「「すまないお嬢さん、大丈夫かい? 」」」」」


 「大丈夫なわけないでしょ!慰謝りょ、う……」


 私は言葉に詰まる。

 なぜならそこにいたのは、クラスで人気のイケメン男子5人組だったのだから!


 「怪我はないかい?無いね!うん!」


 図画工作コンテスト銀賞の青山くん!金髪碧眼が眩しい!


 「どうしたんだいポカンとして?可愛い顔が台無しだよ!」


 近所で行われたペタンク大会ベスト4の田中くん!金髪碧眼が眩しい!


 「あっ、ひょっとして俺たちに惚れちゃった?ヒュ〜!! 」


 英検3級の村田くん!金髪碧眼が眩しい!


 「チョまじ、パリない?オシャンティーで、チョベリバじゃんべらぼうめ 」


 ツイッターのフォロワー数1534人の宮田くん!履き違えたギャル語がムカつくわ!


 「オレ……ニンゲン……クウ…… 」


 一級建築士で漢検1級、バスケットボール部のエースにしてテニス世界大会優勝者のゴンザレスくん!今日も体中の穴という穴から液が噴き出してるわね!


 「だ、大丈夫よ全然!!むしろ骨が折れて可動部分が増えていい感じ! 」


 こんなイケメンたちに心配されちゃったらあたし、痛い死にそうなんて言えない!!痛みも吹っ飛ぶ……とまではいかないけど2割方軽減!


 「「「「「なんてタフネスな人なんだ!結婚してくれ!!!」」」」」


 「え〜〜〜!!! 」


 きゃぁ〜!急に結婚申し込まれちゃったぁ〜!イカれてんのかしらこいつら!


 「そんな、この中から選ぶなんて……皆魅力的過ぎて迷っちゃうわ! 」


 どうしよう、私にはこのイケメン5人からなんてとても選べないわ!私、罪な女……!


 「ちょっと待ちなさい、そこの貴女!!」


 突然の乱入者!誰よぶっ殺してやるわ!


 「あなた誰よ! 」


 「どうもォォォォォォォォォォ!!!!悪役令嬢でぇぇぇぇぇぇぇぇす!!!!」


 意外!なんと悪役令嬢!!


 「あ、悪役令嬢……!私からこのイケメン達を奪おうって言うのね!」


 「いえ、違いますわ……貴女、目を瞑りなさい」


 「えっ?こう?」


 私は言われるままに目を瞑る。すると……



 ブッチュウウウウウウウ!!!!



 「!!!」


 意外!!まさかの濃厚なベーゼ!!!


 「貴女に一目惚れしましてよ……これから毎朝、私にみそ汁を作りなさい」


 「は、はい……」


 やだ、大胆……私の心はすっかり骨抜きにされてしまった。


 こうして私と悪役令嬢は、二人仲良く百合の咲く庭園で、一生一緒に過ごしたのでした……!



TRUE END

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