「息子さんですか?」

よく何人なにじんか訊かれることがある。

なんで国なんて関係あるんだろうって思ってから、真面目に答える。


よく何歳か訊かれることがある。

なんで歳なんて関係あるんだろうって思ってから、そういえば幾つだっけと忘れて、同級生の名前を言って「彼女と同じ」だと答える。


よく何が食べたいか訊かれることがある。

なんでもいい。特に食べたいものもないし、食べる行為自体がめんどくさいからって思ってから、指をさして「これにする」と答える。


よく よく よく なーんだ よく よく よく よく食べて大きくなってね


私は誰なんだろうね。国籍とか、歳とか、はたまた食べたいものでわかるの?

パーカーを着て、ジーンズを着て、ぼーっと座席に座っていたら、CA(キャビンアテンダント)さんが父さんに「息子さんですか?」と聞いて、「そうです」と冗談交じりに答えて、母が驚いた。別に性別なんてどうでもいい。母に「もっと女の子らしい行動をしなさい」やら「スカート着なさい」って怒鳴ったりさるけど、性別なんて。所詮、性別なんて繁殖をしたい生き物だけが必要なんだ。性別なんて、生物なんて、人間なんて、すーべてすべて林檎のせいなんだ。と思い込むようにする。




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