第25話 興味のある前菜
「先輩、生きている人の脳ミソをもしもぐちゃぐちゃにしたら痛いと思います?」
私は機材を適当なところにおいて、近くにあった跳び箱の上に座った。
「興味深いね、その話。そそられるよ。でも、答えはひとつしかない。わからないだ。」
副会長は私を押し倒し、私と重なりあうようにして馬乗りになった。両手は捕まれていて逃げられないかたちになった。
私の髪は跳び箱から垂れ下がり、どこからか入ってきた風に揺らされていた。
「正解です。人の脳をぐちゃぐちゃにして痛いですかって聞いても脳をぐちゃぐちゃにしているわけだから答えられない。」
副会長の顔が近づく。吐息がかかる。興奮してるんだ。
「ひとつ気になったことができた。人間の脳っておいしいのかな。」
「やめておいた方がいいですよ。ある人食い人種は人の脳を食べたことによって病が多発していたらしいです。」
「そんなのもう関係ない。俺は食すことに興味をもたんだ。」
「そうやって、お兄さんのことも殺したんだ。」
副会長が握る手に力が入る。痛い。
でも、目は外さないし、外しても来ない。
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