第12話 答え合わせの続き
守護獣は、魂の形をしたガラスのようなイメージだ。キラキラと輝きを放つma粒子は美しいが、その人の悲しみや苦しみそのもの。主以外の他者が触れれば、自分が体験したことのように主の記憶が吹き込まれ、主の負った傷が刻まれる。最悪の場合、他者の待つ運命は死だ。守護獣を持たない人がさわることは自殺行為。
その一方で、持っていない人にとってはまず見えることがないのであるから、故意に触れるなどできやしない。まず大前提として街中に守護獣がゴロゴロと落ちているわけがない。それの回収が日々の我々(警視庁特殊能力捜査班)の仕事だから。もし、さわった人がいるのならその人は運がなかったとしか言う他ない。
その破片を飲み込んだ彼女は彼女のなかにいる、守護獣ーー“蠑螈(ニュート)“色は再生。染み込んでいった破片と破片とを繋げる色。
それと同時に鮮明に見える。殺意を感じる。痛みを。殺される。生と死の攻防。平和ボゲしたこの世界に与える衝撃的な一撃。実に見事、血でできた花火。
そして、被害者の守護獣が教えてくれる。主人様を殺したものを。最期の役目。憎い、憎い、にくいにくいあの人まですごい勢いでかけて行く。
それを追いかける彼女の守護獣ーー“狗(ストレイドッグ)”色は追跡。守護獣の臭いをかぎ分ける(いわば警察犬)色。
ストレイドッグが犯人を見つけ、証拠を見つけた。
事件は終息を迎えた。
翌日、鷹葉榛にとっての降格処分が下った。
ずっと守護獣を持っていたことを隠していたからだ。政府は現在、守護獣を厳しく管理している。持っていたことは問題ない。隠し続けていたことに問題があるのだ。従来の検査だけでは守護獣が完全にわからないことが今回の件で分かり、鷹葉をできるだけ手元においた。
「本日より配属されました鷹葉榛です。よろしくお願いします。」
処分は特殊能力捜査班への移動。ちなみに彼の本日の星座占いも12位だ。
第1章ーこの世界で生きて行く。
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