換装少女
多田七究
第一章 邂逅
ロボットを操作し、1対1で戦う
荒野を
人型。青い
大きな
左肩に
板のような
男が、追撃をかけようと右手でビームナイフを構えた瞬間、ロボットの腕が破壊された。
ビームが飛んできた場所に向かって左腕を構え、
灰色の相手が、背中から取り出した大きな
操作していた少女は、
「もっと楽しませてくれよ」
その
ロボットのプラモデルや、対戦がメインのビデオゲーム、レトロファイト本日発売。という
台所。慌てて朝食を食べた
少女は、白いマスクをつけ外へ出た。白を
西に
桜の
大通りを挟んで北東には、道に沿って緑色の公園が続いている。さらに先には海。
付近の学生たちは、
レンガ造りの大きな門を抜ける、少年少女たち。
白い建物を目指している。三階建ての大きな
緑色のフェンスが、中と住宅街とを分ける。門の近くには、
長い黒髪をなびかせたマスク姿の女子生徒が、
部屋の西側に立つのは若い女性。前の壁にある大きな
教室には机が
机は、骨組みが
「ではここを、ケイ……さんは体調が悪そうだから」
長い髪の少女は、名前を呼ばれて
悲しそうな顔になる、若い女性教師。
「サツキさん、読んでくれる?」
指名したのは、隣の生徒。
すぐに返事をして立ち上がる。一番うしろの廊下側だ。
一階の一組に、可愛らしい声が響いた。
「
『ありがとうございました』
私語ですこし
「次は、体育館に集まってください」
そして、ケイに近付いて頭を下げつつ、気持ちをこめる。
「さっきは、ごめんなさい。
「分かってるなら、いいです。それじゃ」
表情を変えずに
その姿を見ている先生。
「コノハナ先生、またね」
「ええ。またね」
別の生徒から声が飛んできて、微笑みを返した。
まだ、ケイの後ろ姿を見ていた女性。肩を落として呟く。
「嫌われちゃったかな」
生徒たちが体操服に着替えて、保健体育の時間。
体育館の床は木で、ワックスがかかっている。
天井は高い。外に向けて
20人の生徒たちは
授業をおこなうのは、別の先生だった。科目ごとに別の先生が担当しているためだ。
穏やかな授業を始める、体つきのいい二十代の男性。
体つくり運動がおこなわれる。手軽な運動。体の柔らかさや、動きを
「問題ない」
保健体育が終わる。
午前の
一番後ろの席に座る生徒が、マスクをつける。誰にも話しかけなかった。話しかけられそうになっていたことにも、気づかなかった。
すぐに帰宅したケイ。
フローリングの家で、母親に弁当の空箱を渡す。
飾り気のない自室に戻ると、ゲーム機の電源を入れた。
ラフな服に着替えた、長い黒髪の少女。
部屋の左奥にあるTVをつける。
思い出したように、入り口近くの
すこし歩き、右奥の机の側にある椅子に座る。近くにあるベッドには飾り気がない。
あらかじめダウンロード購入しておいたソフトを起動。レトロファイトの一人用モードを、説明書も読まずにプレイし始める。
ゲーム内で、音声ガイドが流れる。
『ロボットを操作し、1対1で戦う。HP(エイチピー)がなくなると負け。2本先取』
ケイがすぐに相手を
『右腕、左腕には個別に
自動で
『
たくさんの
『
『手、肩、背中に
腕は、
目的地までの移動を
『胴、腕、脚のパーツは、軽い順にライト、ミドル、ヘヴィのタイプに分類される。重いほど
ライトタイプで移動。敵が
ミドル、ヘヴィと、ステージを変えて続いた。
『エネルギーを個別に消費するパーツ。脚でブーストを使い切っても、腕のエネルギーを
簡単な説明が流れるだけの画面。
『一番の特徴は
自動で
『ただし、一定時間待つ必要があり、再使用には時間がかかる。壊れていないときでも可能』
敵ロボットがあっという
画面切り替えを
「悪くないチュートリアルだった」
一気にクリアしたケイは、満足そうに言った。
コントローラーを操作して、電子説明書を読み始める。同じような
たまに変な声を出した。
一人用モードクリアで入手できる装備もある。特別強いわけではない。むしろ
という部分を読むときに、すこし
木に
最大で六人食事のできる、木製のテーブルがある。近くに置いてある椅子は三つ。こちらも木製。二人が座っていた。
お
台所と
朝見ていたTVは居間にある。照明がついていないため薄暗い。
夕食の席。心ここにあらずといった様子で、時々ぶつぶつと呟くケイ。
三十代の母親は
「お父さん、もうすぐ帰ってくると思うから。先に、お風呂入ってくれる?」
「わかった」
ケイは素直に返事をした。先に食べ終わると、すぐに風呂場へ向かう。
お風呂が
30分後。
パジャマ姿で髪をボサボサにしたまま、歯磨きをしつつ、台所に現れるケイ。
「暑い」
また風呂場に戻った。
髪を
自室のドアが閉まる。たまに、ケイが何か言っている声が小さく聞こえた。父親が帰ってきて二階で寝たあとも、部屋の明かりはついていた。
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