二秒の背中
見慣れた背中に置いた手を
下着のうねりに沿うように
温もりわれと動かした
その後すぐに
街の音まで
刹那に遠く退いた
長く使ったマグの淵
張り付くカフェは
風がないのに揺れていた
明日の君に言いたいことを言うために
少しの準備が
昨日の僕に大丈夫だよと言うために
少しの勇気が
気になる前髪触るのは
スウェットの袖を伸ばすのは
明日の君に言いたいことを言うために
昨日の僕に大丈夫だよと言うために
この手に温もり伝わらば
その背も温もり伝わらん
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