カクヨム占い師があなたの性格を診断します!

ちびまるフォイ

切なくなるラストに全米が鼻で泣いた。

「ようこそ、占いの館『カカズニヨム』へ。

 あなたも自分の小説を見てほしいと思ってきたんでしょう?

 ええ、言わなくてもわかるわ。この水晶ならなんでもお見通し」


水晶が鈍く輝いた。


「ほうほう、ふむふむ。わかったわ。

 あなた、異世界の転生小説を書いている人ね?」



→はい

 いいえ



「あなたの性格は……そうね、とっても優しい性格をしているわ。

 人を傷つけたり、傷つけられたりするのを好まない平和主義者ね。


 うふふ、不思議ねぇ。小説の中ではあぁんなに戦っているのに」



「もっと聞きたい? よくばりさんねぇ。

 あと、あなた。自分の意見を強く言うのは苦手じゃない?

 優しいあなたは相手の気持ちを推し量りすぎて自分の気持ちをうまく伝えられない。

 でしょ?」



「でもでも、そんなあなたも心の中では"こうしたい"、"こうなりたい"って。

 ひそかな夢や希望を強く持っているのね。

 どうかしら? 当たらずも遠からずって感じでしょう?」


「あと、あなたおっぱい好きね」



水晶の輝きが落ち着いた。


「小説は己を映す鏡なのよ。どんな小説を書いているかがわかれば、

 あなたの性格なんて簡単にわかっちゃうわぁ。次の人」






「あなたは……日常系の作品を書いているのねぇ?」



→はい

 いいえ




「あなた、実は結構なアイデアマンじゃない?

 うふふ。ごまかさなくてもいいわ。小説は雄弁に語っているもの」


「あとおっぱいが好きね」


「人との交流はあまり積極的ではないタイプねぇ。

 自分の時間を大切にしたいと思っている部分が少しあるわぁ」


「ゲームやSNSでは、普段のおとなしめな自分よりも少し活発になる傾向がない?

 そうでしょう? この水晶の前ではどんなこともオ・ミ・ト・オ・シ♪」


「人から褒められたりするのはちょっと苦手みたいねぇ。

 イヤってわけじゃないけど、慣れてないからちょっと照れちゃうのかしら」




「うふふ。以上よ。

 日常系を書くあなたの性格診断はここまで。さぁ次の人」





「あなたは……エッセイとかを書いている人ね?」



→はい

 いいえ



「あなたは現実主義的な傾向がある人ねぇ。

 もちろん空想とかファンタジーも好きだけどそこには常に現実感を求めちゃう。

 頭がいいだけに少し理屈に偏っちゃうところなぁい?」


「ちょっぴり自分好きな傾向もあるわねぇ。

 他人にどう思われるかをあまり気にしないし、気にしない自分を良くも思っている」


「あとおっぱいが好き。そうでしょ」


「さて、こんな面倒くさいあなただけど寂しがり屋さんなところもあるわ。

 評価はもちろんだけどレビューや応援といった人との交流が好きでしょう」


「ほら、あなた結構マイページで自分のフォロワー数とか

 いちいち気にしていたりするでしょう? あたしはなんでもお見通しよ」



「さて、エッセイを書くあなたの診断はこれくらいかしら。

 今日の占いはこれくらいにしようかしら」



店を閉めようとした矢先、最後の客が入って来た。


しぶしぶながら占いをはじめると占い師は思わず飛び上がった。



「なんてこと! これはまったく見えない! こんなことがあるなんて!」



自慢の水晶には「This video has been deleted.」の文字が浮き上がっている。

まさに規格外。



「わたしにも読めないことがあるなんて……!」


「そうでしょうな」



「なっ……! あなたには私が読み取れないことを知っていたというの!?

 いったいどうして!? 答えなさい!!」


「いいでしょう」



客は自信満々に答えた。



「なぜなら、私はおっぱい派ではなくおしり派ですから」




「そんな人がいるなんて……! 私が読み取れないわけね……」


占い師はひざをついて完敗を悟った。











(書き終えた作者の手記)


お父さん、お母さん。

大学も行かせてもらった僕だけど、

今はこんなバカみたいものを書いてるよ。


僕はおっぱい派です。

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