男子中学生の僕
カゲトモ
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パンツが見たい。
唐突だが、パンツが見たい。いや、嘘だ。僕は嘘を吐いた。唐突ではない。日頃毎日、暇さえあればパンツを見たいと思っている。
女生徒のチェックのプリーツスカートの中にある宝石、もといパンツを見たい。男子中学生ともなれば、普通頭の中はエロい事で一杯だ。そう、僕はパンツが見たい。
出来れば前の席の、学年一の美少女のその少し長いスカートの中を。きっと見た目通りに清楚な白いパンツなのだろう。ピンクのリボンなんかがあしらわれた、ザ・美少女のパンツ、みたいなやつ。きっとそう。
「・・・」
僕は気づかれないように息を呑んだ。そして、そっと開いていた本を閉じる。
どうしてこんなことになっているんだろう。
夕日の差し込む教室で、僕は一人で本を開いていた。文字通り、開いていただけだ。読んではいない。最初の方はちゃんと読んでいたけれど、いつの間にかパンツへの妄想が膨らんでただただ本を見つめていただけだった。
スポーツが盛んなこの中学校で帰宅部を名乗っている者は少ない。そしてその内の一人が何を隠そうこの僕だ。そして僕は同じ帰宅部の友達(クラスは違う)を待っている間に読書もとい妄想をしていた訳で。
グラウンドは賑やかだけど教室は人気が無く静か、という放課後独特の静けさにいつの間にか包まれていた僕は嫌な予感がしてスマホに指を滑らせ、予想が的中したことに眉を顰めた。
友達が急用があるとかで先に帰ると連絡が入っていたのだ。前に話していたゲーム、今日が発売日だったかもしれない。
はぁ、とため息を吐こうとして僕は顔を上げた。実に三十分ぶりに辺りを見渡した。
そこで僕は息を呑む。
ふわり、とクリームがかったカーテンが膨らむ。
開け放たれた窓からは野球部なのか、テニス部なのか、サッカー部なのか、良く分からないけれど部活動に励む声が聞こえる。
カーテンの向こうに一つの影があった。
そこにいたのは学年一のギャル、三木さんだった。
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