真実かもね
翠幽月
でも、救われた
大人はみんな嘘つきだと思っていた人が過去にいた
私はふーんと知ったかぶっていた
個性を伸ばそうとか
君はそれでいいよと言いながらも
私たちを除外するとも言っていた
そうやって、生きているのかもね
大人って
私は大人のすべてを知っているかのように
そういった
それに、無理して大人になることはないとも言った
ピーターパンじゃないけれど
下手に大人になるのもよくないと
変なアドバイスもした
その人の言葉は、真実かもしれない
大人が話す大抵の言葉は嘘かもしれない
それは分かっている
私たちはその気まぐれで
ありえないほど無神経な気持ちを突き付けられて
傷つけられる
だから、私はいつしか夢を語らなくなった
頑張って
応援している
君ならその夢を叶えることができる
そうした言葉を聞きたくなかったから
何より、夢を叶えられなかった大人の
代理人として扱われるのが嫌だった
長らくその夢を語らなかったけれど
別の友達にそっと打ち明けてみた
難しいかもしれないけれど
やりたいの
確かに難しいと返された
でも、応援すると言ってくれた
私たちはある種大人のカテゴリーに入ったけれど
それでもなぜかその言葉に救われた
嘘ではないと思う
だから、うれしかった
夢を叶えられない大人になって
人を代理人にするのも辞めようと思った
無理して大人にならない
それができたら、きっと私は
最高の子供でいられる
真実かもね 翠幽月 @long-sleep
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます