ブラック♢リー
はやしばら
深夜徘徊オッサン
真夜中の某駅のロータリーの傍で一人の少年がギターを鳴らしていた。
突拍子のない不確定なメロディー。元ドラマーだったわたしにとっては不快でしかない。
牛丼屋からBUMP OF CHIKEN の天体観測が未だに流れている。
良い曲だが、誰もがあの閉塞した時代を望んでいる証拠にも見えた。
時が進まなきゃいい。あのときの青春の日々が忘れられないのだろう。
東京都議選で自民党が大敗したように世界は変わることが普通であるのに、そうわたしたちはあの若がれしころの夢を追い続けている。
――夢か。どこにあるのかわからない夢には膨大な距離がある気がした。
他人に望まれることを意としないくせに他人の評価ばかしを気にする。
そうでないと、いつまでもいい作品が作れないのも確かだが。
音楽も写真も、おそらく小説もそんな誰かから望まれたい形であるのに。
あんな、ダークファンタジーなんて望む人間はそういない。
話は変わるが、『午前二時』と『深夜二時』とでは、同じ意味を提示しているのに関わらず、気持ちがまったく違うのはなぜだろう?
深夜二時に踏み切りにいたら、望遠鏡を抱えている関わらず、自殺志願者に思われるかもしれない。
午前二時だと、世界の日付が変わり、少しした時間。――そう思える。
その時間帯にかなりの若者が街を闊歩していた。
ただ蒸し暑いからとか、それ以外の理由がありそうだ。
日の当たらない場所が歩きやすいのが今の人間の心理だと思う。
自分が望むことだけを得て、傷つけられることのない。――仲間内だけの時間。
いずれ終える時間を楽しむが良い! 若者よ
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