【異世界夫婦】
あーや
始まり。
結婚して2年目、僕達夫婦は念願の新居を手に入れた────が街で聞いていた話と全く(?)異なっていた……かも……
「た、確かに綺麗な場所だし静かだけどこんなにも想像していたのと違うなんてね」
声にならないくらいの声と冷や汗が一気に流れでる。
辺りは緑が一面に広がっていた。
家はそのど真ん中にあり、横には風車に川がある。空気も丁度いいくらいにおいしいし、近くには山もあり食べ物には困らなさそうだった。
だけど一つ問題点が……ここまで来るのに6時間かかったのだ。
と、言うことは街からここまで来るのに往復12時間かかることになる……
「しかたいよ〜私のワガママでこうなったんだし〜」
僕の妻、フレイは温厚でゆったりとした口調をしていて優しい。
しかも彼女は貴族のアルファー家の娘で街ではものすごく有名だったりする。
そんな彼女となぜ結婚できたかはまた説明するとして────
「どうしようか、とりあえず荷解きから始めようか?」
「そうね、本当は綺麗な花と戯れたかったのだけれどしかたないわね〜」
とりあえず事前にもらっていた鍵を使い中に入る。
「ふわぁ!いいところじゃない〜」
「そうだね、僕達二人だけでは広い過ぎるくらいだよ」
「子供できたらそうでもないわよ〜?」
「はははっそれはまた落ち着いたらね」
この家は二階建てで、中は木造の作りになっており、木の香りが相まって森にいるかの様に思わせる。
元々ここを提供してくれた人とは交流があり、家具やお風呂、トイレまで全て付けてくれた。
「今度あの人にお礼しないとな」
「そうね、でもここからだと移動大変よ?」
「うーん片道6時間かかるんだもんね……」
「まぁ、先のことは後々考えましょう今は荷解きよ」
「わかったよ、僕達の部屋は2階だからその荷物持っていくよ」
2階の部屋に荷物を置き終わりバックに詰めたものを出していく。
2人分だすだけだからそんなに量はないため数分で終わった。
「おーい、こっちは終わったよー」
「こっちもよ〜」
「おぉ、なんか様になってるね!」
「元々がいいデザインだったからよ」
1階に降りて様子を見るとリビングの机には花柄のテーブルクロスが敷かれていたり。
フレイ好みの花柄に模様替えされていた。
「なんかやっと二人暮らしするのかって思うよ」
「ふふっこれからは二人っきりよ」
「そうだね……」
僕達は寄り添う。
これから起こるであろう出来事などに思い馳せる。
夫婦喧嘩はまだしたことないしこれからするだろう。
どこの夫婦だって喧嘩なしでは暮らしてはない。
子供だって出来るかもしれない。
その時は一緒にここの草原で遊ぶ。
今日この日ここでの楽しみ方を学ぶとしよう。妻のフレイと共に────────
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