第3話

1回目のデート。


私も君も話すことが思いつかなくて、続く沈黙。


何を話せばいいか困るけど、その沈黙も悪くない。心地よかった。


「手繋ごう」


そう言われたけど、素直じゃない私は恥ずかしくて手汗が、、とかいって誤魔化した。


ほんとは手を繋ぎたかった。


もっとくっつきたかった。


あなたの体温を感じたかった。



2回目のデート。


お泊まりデートだった。


2回目のデートでお泊まりは早いかなとか思いながらも、楽しみにしていた。


テスト終わりだったから、終わった瞬間に教室から抜け出した。


電車に揺られ、君の住んでる場所に。


ご飯も一緒に食べた。


君はいいところに連れてってくれようとしたけど、なんとなく気恥ずかしくて、近くにあった天丼屋に入った。


甘ダレで、甘ダレが苦手だった私はなかなか手が進まず、それを見かねた君はしょうがないなと言って食べてくれた。


そのあと、君の部屋で君のベッドで特になにかあるわけではなく、2人でベッドに座って映画を見た。


エンディングが終わって、つかれたねといって、2人で寝転がった。


距離が近く、ドキドキしたけど安心した。


幸せだった。



3回目のデートはカフェだった。


実は2回目のデートで泊まった時に間違って洗顔料を置いてきてしまった。


君はそれを私に渡して、私は笑いがこみ上げてきちゃって2人で笑い合った。


映画館の前を通ったときに、この映画見たいねって言って、次は映画見ようとか、次は洋服見に行こうとか約束した。



4回目のデート。


約束した映画館デートだった。


すごく充実してた。


暗闇の中、たまに目が合ったりして、ずっとドキドキしてた。


そのあと、洋服も見に行った。


君は古着が好きだったから、私はあまり古着は興味がなかったけど、これ好きとかいう君を見て楽しかった。


夜、帰りたくなくて、2人でうろうろして、そしたら、近くでお笑いライブをやってて、それを見た。


ほんとに楽しかった。


それが終わってもやっぱりまだ帰りたくなくて、2人で近くのクレープ屋に入った。


2人で一つのクレープを食べた。


私は狙ったわけじゃないけど鼻にクリームがついたりして、君はそれをとって、また2人で笑い合った。


君は「すき」といって、帽子で顔を隠した。


すごく嬉しかった。


でも、私はすきって言えなかった。


素直に言葉にできなかった。


ほんとは好きで好きでしょうがなかった。


私も好きって言って、2人で照れながら笑い合いたかった。


言えなかった。



そのあと、2人とも忙しかったりしてあまり連絡が取れなかった。


記念日の日も私が寝たあとにおやすみときていたけど、記念日については触れなかった。


記念日の次の日、ごめん昨日忘れてた。記念日だね。ってきた。


そのときにも私の天邪鬼は発動して、連絡少なかったりもあって、なぜか素っ気ない態度をとってしまった。


後悔してももう遅かった。


それから数日して、君は私から離れていった。


君は他に好きな人ができたわけじゃない。って。


でも、最近のSNSって進化してるから。


その数日後にはもう君には新しい恋人ができていた。


私は見ちゃだめだと思いながらどうしても、君が気になってしまう。


でも、君はもう私の君じゃなくなった。

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ひまわり 優良 @yurayuramind

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