D社の史実

中川ハシル

第1話 流言蜚語が恐ろしい

 巷に溢れる流言蜚語。今までになかったことである。こんな外部から見た虚像のみによってD社がブラック企業のような扱いを受けることにOBとして一言申し上げたい……。

 ご遺族にとっては自殺事件は事件ではあるけれど、企業としても、これから生きていかなければならないし、社員としても生活がかかっているのである。

 私は43年間勤務して65歳で定年退職した現場人間である。内部の人間として何回か、同じような事件をくりかえしていたことは事実ではあるが、自分の適性にあっているのか。その仕事に向いているのか。広告の制作現場に携わっていた人間として言わせて頂きたい。能力や素質の問題や適性がものいう厳しい職場であるという現実を忘れないで欲しい。誰でもできるという仕事ではなく特殊技能がいる仕事なのである。

 クライアントはお金を払っている以上、プロとして当然扱う。新入社員であろうが、アマチュアリズムは揺れされない。部下が仕事に合わないなら、当然上司が別の部署に替えてやるとか管理する側の責任はあるが、適正の問題が重要であろう。

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