Twitter300字ss 天翔寺公春に係るあらゆること

 やあ、僕は私立陽明門学園高等部二年A組、出席番号十二番の天翔寺公春。乙女座のAB型男子、右投げ右打ち。


 爽やかな初夏の昼下がりの陽射しに透けるさらさらの黒髪は絹糸のよう、ロシア人の祖母由来の青い眼――それはまるで妖精が住まう神秘の森の奥に静かに佇む湖がたたえる色――それらが彩る天使のように完璧な曲線を描く白磁の肌は日焼けを知らずにほのかに輝く。

 けれど、こんなに盛り盛りでも僕は満たされない。僕の心はいつだって空白を抱えている――


「やあ、呼んだかい?」


 あ、あなたは「(中略)」!!


「フフッ、三百字では到底描写しきれない君の中身は僕が略しておいたよ!」


 ああっ、何てことを……だめだ、もう文字数がな



(300文字)


「Twitter300字ss」企画参加作品/お題「飾る」

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