Twitter300字ss 浄化と再生
もーえろよもえろーよ。口ずさみながら、不要になった朱入れ原稿を焚き火にくべてゆく。夏コミが終わって、打ち上げのバーベキュー兼原稿のお焚き上げにやって来た。絵描きはネームやボツ原稿、スキャン済みの原稿も燃している。
あられもない格好の男子たちの絵に火がついて、紙がよじれて灰になる。わあ背徳的。
「この煙は風に乗って世界中の同人屋のもとに届く。そんでその空気を吸った誰かがまた新しい妄想を世に送り出す」
「妄想は流転する」
薄いコピー紙は次々に灰になって、火の粉が飛んだ。私たちは粛々と紙束を燃やす。
「推しが死に別れた人の遺品を燃やすとか萌えねえ?」
「それな」
「わかるわ」
灰の中から新たな妄想が芽吹く。
(299文字)
「Twitter300字ss」企画参加作品/お題「火・炎」
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