第8話 「ドキドキのくじ引き」
午前中のオリエンテーションは、くじ引きでペアを決め、宝探しをするというシンプルかつ定番のものだった。
「じゃあ、この箱からくじを引いていってね〜」
担任の用意した二つの箱から紙のくじを引いていく。
一つは男子用、もう一つは女子用だ。
それぞれ人数分、数字の書かれたくじが用意され、同じ数字同士がペアになる。
「じゃあ、私達から引いていくね〜」
担任が女だからなのか、それとも、レディファーストというものなのか女子から、くじを引き始める。
「あ、私3番だ」
「私11番〜」
次々と女子がくじを引き始める。
俺が知りたいのは彼女達の番号だ。
「私は5番だったよ」
「モモは9〜」
「うちは12だ〜」
類希なる「盗み聞きスキル」を駆使して、彼女達の番号を確認する。
「じゃあ、次は男子ね〜」
女子が全員引き終えた後、担任の合図と共に男子が引き始める。
「よっしゃ3番。ってことはあの子か! 結構可愛いよな〜」
「うわ、アイツじゃん。やだな〜」
そして、俺の番がまわってくる。
5、9、12のどれかを引くことができれば俺の勝ちだ。
「たのむ・・・・・・」
目を閉じ、恐る恐る箱からくじを取り出す。
引いた紙をゆっくりと、真剣にめくる。
「5・・・・・・」
5番ってことは俺のペアは・・・・・・サヤカってことか!
「よっしゃーー」
俺は絶叫した。
もちろん心の中でだけど・・・・・・
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