第7話 坂上一茶との衝突、そして不安定な元巌流中

ナッシュ「お前風紀委員なのにこんなことしてんのかぁ?」


一茶「お前らを一掃して風紀を保つんだよ!」



一方


1ーA教室


バン「おっせーなナッシュのやつ!ジュースにしては時間かかり過ぎだろ!」


「セリナはまあまだ信用できたもんじゃねーし、それはおいといてナッシュは少し心配だ!様子見に行くか?」


ギドロック「すぐ戻ってくんだろ!ジャンケンで負けて四人分だから誰が何頼んだとか忘れてテンパってんだよ(笑)」

 

笑うギドロック


ギドロック「ていうか…なんでお前らがまたこの教室にいんだよ!?汗」


ヤス「………」


コウスケ「いやー暇ですし、俺らのクラス居心地悪いんすよ!ハハハ!」


ギドロック「ここもたいして特によくねーぞ!まあ昼休みだから別に俺が文句言う権利ねえけどよ…!」


コウスケ「さすがギドさん話わっかるー♪」


ギドロック「ギドさん!?」


バン「話わかるなギド(笑)」ギドロックの肩に手を置いてからかうバン。


コウスケ「確かにギドロックて呼ぶの疲れますもんねー」


ギドロック「もうなんとでも呼べ…シャアアアッ」錯乱するギド。




ヤス「……コウスケちょっとついて来い」


コウスケ「ん…俺だけ?……やっぱなんか心配だから兄貴んとこ行くのか?」


ヤス「いや…違う……がその兄貴のことで話だ!」


コウスケ「………(ヤス…まさか)」


バン「どーしたあお前ら?ナッシュの様子見に行くなら俺もいくぞぉ!」


コウスケ「バンさんは安静にしとかないとダメですよ!」



ヤス「バン……いやアンタらはいいアンタは特に二カ所骨折の怪我もしてるし…!」


バン「おめえらいなかったら戦力減って俺危険増しちまうぜ!」


ヤス「……もしなんか兄貴がトラブってたとしてついてくる方が危険じゃないかバン…ギドロックと一緒に教室へ残れ……。」


コウスケ「!………まあまあバンさん!ゴダイもいるしギドさんもいるし教室で安静にしててくださいよ!…じゃちょっくらヤボ用済ましてきます!」


ギドロック「なんか感じ悪いな‥あの二人…隠しごと…か?いつもあんな感じなんか?」


バン「んー特にヤスはな!」


ギド「それか女でもできたんじゃねーの?むさ苦しいお前らと違って(笑)」チロチロ 舌を出すギドロック


バン「んな感じでもなかったけどなー、てかむさ苦しいとはなんだ!友情といえ!友情と…てか支配野心家丸出しの狂犬だったお前に言われたくねーし…大体お前だって彼女とかいねーんだろ!」


ギド「ん…俺はいるよ!三人」チロチロ


バン「マジか…てかしかも三人て!」


バン「かあーさすが1ーA支配してたギドちゃんはリア充だなあ」


ギド「んーこの前まで五人だったけどな…浮気ばれてな」チロチロ


バン「ギドちゃん女の子紹介して!…全くアンタって人はぁ…俺も紹介お願いギドちゃん」


ギド「…別にいいけど苦笑い」




1ーEと売店の間の廊下


コウスケ「お前急に俺だけ呼びだして!バンさんやギドさんに失礼だったろ?」


ヤス「そんなことはどーでもいい…それより兄貴のことだ」サングラスを外し鋭い目付きをあらわにするヤス


コウスケ「!」少し怯むコウスケ


コウスケ「ナッシュ兄貴のことってホームルームの乱闘の時の狂化覚醒のことか…すごかったよな…でも前にも増して冷血過ぎる感じがしたし元に戻ってくれないんじゃあないかとヒヤヒヤしたぜ!」


ヤス「…俺は嬉しかったがな」


コウスケ「せっかく最近元気になって明るくなったナッシュ兄貴が、あんな影の総番だった頃以上に冷血になって、暴走して味方にすら攻撃する状態になって何が嬉しいんだよ!」


ヤス「……この際ハッキリしとこう…コウスケお前はなぜナッシュ兄貴についていってる?」


コウスケ「……中学ん時と変わってねーなてめえは!そういう話をしに俺だけを呼んだのはなんとなくわかってたよ!」


ヤス「質問に答えろ。」


コウスケ「そりゃあナッシュの兄貴はこええ時もあるけど仲間には優しいし、何より自分のことのように仲間や弟分の俺らのことも考えてくれる、…中学の時からな!そして上手くいえねーけど、なんかそれでいて好戦的で特に中学時代は誰相手にも引かない凄さもあったし、今も…勝敗は別として…とにかく兄貴はスゲーカッコイイカリスマ的存在なんだよ!」


ヤス「フッ、そうだ…兄貴は誰相手でも引かねえ、そして時折みせる他の誰でも持ってない独特の闘いを楽しんでる時時折見せる、…それが殺し合いさえ楽しみそうなあの狂気じみた眼と表情と昔あった冷血さ!そこだよ…お前やっぱり中々分かってるじゃねーか…」


「ただな最近の兄貴は丸くなったというかあまりにも優しくなってたり、…色々俺的に幻滅する様子が多い…昇華覚醒したのはいいとして昔の冷血さや躊躇いのなさや怖さが感じられねーのよ…狂化覚醒で取り戻した時はそれゆえ嬉しかった!」


コウスケ「昔からお前そういう行きすぎたとこあるよな!…この機会にお前が求めた通り言うが俺は兄貴が強かったり怖いぐらい頼もしいところも含め気にいってる…が今回の狂化覚醒で暴走した時のような怖さとか、お前がいうようなそこまでの冷血さとかは求めてねーぞ!むしろ最近がいい具合いに元気も出て、程々に好戦的で程々に落ち着いて仲間増やしていって昔より更に優しくなったナッシュの兄貴が最高だ!」


ヤス「…俺がいいたいのはそこなんだよ…」


コウスケ「どういうことだ?」


ヤス「バンから聞いたところセリナ相手に情けかけて油断したり、挙げ句の果てにセリナと仲間になりギドロックの奴ともほぼ仲間みたいなもんだ…今もジュース買いに売店に行ってるがそれは口実でセリナの奴を心配して慌てて行った感じだった…奴らとジャンケン負けてなくてもどちらにせよ売店には心配して行っただろう…俺らは奴らより売店にクラス位置近かったし闘気感知能力あるから売店にデカい闘気オーラ感じてた…だろ?風紀委員の糞共がうろついてやがるんだ…ナッシュの兄貴は俺らよりきっともっと確信があったんだ」


コウスケ「敵だった二人とも仲良くなってお互い心配もする…いいことじゃねーかよ!お前の言う通りセリナさんやナッシュの兄貴は揉めてる…風紀委員の奴らと!ここまで近けりゃ鮮明に分かる!早くいかねーと!」


ヤス「待て…あの二人ならまだ大丈夫だ…そんなに簡単に負けねー…話はここからだ…」

「…俺が見たところ兄貴は三重人格だ!」


コウスケ「!?…さんじゅう…!?」


ヤス「ああ!水芝や剛来が言ってたように多重人格…おそらく今の兄貴は三重人格…!」


「元の巌流中学生影の総番だった頃の兄貴が主人格で次に裏切られてから高校に入って今朝の闘いまでの優しく…なよった兄貴が二番目の人格そして三番目の人格が…今朝の狂気覚醒の暴走体験を経て…元の冷血な影の総番時代の兄貴の主人格と最近までの優しくなよっちまった兄貴の二番目の人格が混ざって、葛藤してる状態…それが今の三番目の人格だ!」


「願わくば今の三番目の人格も…、主人格の冷血で恐ろしい兄貴よりの人格になって欲しい…」


コウスケ「オイッ!俺には理解できねーぞ!…できたら優しくなった上で、ほどほどに好戦的で、仲間と仲良くする楽しい兄貴のがいーじゃねーか…そりゃああれからバンさんや、ワタルさんや、水芝さん、剛来さんを筆頭に夕日の岬の人間に出会うまでは元気なかったけど、バンさんやワタルさん達岬の人達に会ってからは…」


ヤス「黙れ!…戻るのを待ってた半年以上あれからずっと…もし元の兄貴の冷血さの部分を尊重しねえなら俺はお前らとは、…

これ以上つるめねぇ!」


「また質問だ!…お前はそのへんの弱そうな奴に道端でガンつけられたらどう対応する?」


コウスケ「気分が良けりゃシカト…悪けりゃ喧嘩買う…それが?」


ヤス「相手がヤクザっぽいヤバそーな奴だったら?」


コウスケ「そりゃあ面倒臭くてスルー」


ヤス「それをビビってるって言ってんだよ…相手を見計らって喧嘩買ったり逃げたり…ダセェと思わねえのか!」


コウスケ「だ…誰だって多少はそういうところはあるだろ?第一お前だって竜騎士ブレスト来たときやゲルガウス来たときには…闘いにいかなかっただろ?」



ヤス「それは兄貴の状態を見計らう方が先決だったからだ!

その場は計算で退いたように周りからは思われても、常に俺は最終的に勝ちのベクトルに集中してる!ブレストやゲルガウスも俺に勝ったつもりでいる以上凶器つかったり闇討ちしてでも殺ると決めている…ただ逃げれて安堵してた訳ではない!お前らと違ってな!…」




「どんな手段使っても何年かかっても復讐は果たす、…最終的には相手の大事な人間を人質にとったりしてもだ!…勝つ!力!絶対的な支配!それだけが俺の価値観であり存在意義だ」


コウスケ「わからねえ…昔からそういう雰囲気あったが、…どうしてお前はそこまでこだわる?もっと今のバンさん達や、夕日の岬の人達みたいに普通に楽しめねえのか?」


ヤス「普通…!?…普通てなんだ?誰が決めた?誰がその概念を決めその言葉を作った?」

「俺が両親から虐待されてたことはもちろん覚えてるよな…?」


コウスケ「あ…ああ…もちろん覚えている…」


ヤス「特に親父には毎日殴られ、最初は傍観してた母親もパチンコの負けや人間関係のトラブルが起こると親父に便乗し俺を殴るようになっていった」


「抵抗せず我慢する日々が続いてた、………俺はこう思っていたんだきっとこの二人は世界で一番強くて誰に対してもこんなことをするそういう風な生まれながらの王とその妃なのだと…、


だがある日家の近くで母親がチンピラに絡まれペコペコ謝る姿を見た、…同じ日に家の近くで警察に絡まれペコペコしてる親父を見て疑問に思った、…


なぜ同じ人間なのにあのチンピラや、警官が尊重され俺は尊厳すら認められないのか…この人達は俺以外のすべての人の前でも踏ん反り返ってるプライド高き王と妃ではなかったのかと


なぜあんなチンピラや、警官ごときにペコペコする親父やお袋の虐待を我慢しなくてはいけないのか」


コウスケ「………」



ヤス「その日俺は頭の中で何かが弾けて俺は目の前にあった二つのビール瓶で親父の頭と母親の頭をカチ割った!……そして自分の中で誓った「この先何があろうと、誰が相手だろうと自分の気持ちは曲げない!貫き通す!何回負けても最後に頭カチ割ってブッ殺せば、…俺の存在意義は保たれる…」と!」


コウスケ「……(そんなことまであったのか…)」


ヤス「中学ん時道路渡ってたらよ…クラクション鳴らして来たヤクザかぶれの馬鹿がいた…そいつはもっと権力をもっている上の奴に叱られてる時ペコペコしているのを俺は後で見た…許せなかった…ナメやがって…俺はその場でそいつの上のやつもろとも病院送りの再起不能にしてやった…!」

「俺は一貫性をこの世で何よりも大事に思っている…!」


「だからいくら自分より強い奴でも勝つまで引かず向かっていき最後には必ず勝利を収めていた…どんな手を使ってもだ!

もし仮にヤクザだの闇の権力やマフィアだの戦争や紛争地帯で捕虜になって命乞いを求められ、

いざ銃口向けられても俺は自分が悪くなかったら謝らない!死を潔く選ぶ!

死ぬ瞬間まで立場や状況関係なく抵抗し相手に罵倒の言葉を浴びせ往生する!」


「そんな生き様を送ると誓い覚悟を背負った俺からしたら、大抵の奴が偽物の覚悟しか持ってねえ癖に粋がってやがる、…そんな奴が視界に入る度に喧嘩をし多くは血ダルマになるかそれ以上の状態にしてきた、…そんな日々に明け暮れていた時に、巌流中の影の総番のナッシュの兄貴と出会った」


一息つきながら窓の外を見ながら懐かしそうに昔を噛みしめるヤス


ヤス「…俺は即座に悟った誰が相手でも引かない狂気の眼を見て…この人は唯一の俺の分身…化身だと!その瞬間俺はもう一人の俺と確信した兄貴を見て心が落ち着いた…敵でもなんでもいいからその存在に救われた…それどころか俺を仲間と認めて下さった!そしてそんな兄貴を見極め認めてるだろうお前らを見て長年の虐待の心の傷の疼きが収まった…」



「だが‥!兄貴の一度の敗北とその流れが引き金となり巌流中の革命(クーデター)

が起きた、…兄貴を慕ってた仲間に本質ではなく自分のメリットや、立場や、保身だけを考え上辺だけで兄貴の仲間や、舎弟のふりしてた奴らが巌流中のナッシュの兄貴派の中に5分の4も居やがった…俺はできる限り兄貴を状況をみて利用してただけの奴らを殺す気で追い復讐を果たした。」


コウスケ「その行きすぎた行いがお前が少年院に入った原因だ…!」


ヤス「一貫性という気概を軽んじた奴らへの制裁だ…!」


「そして裏切られ自信なくした半年前のナッシュ兄貴でも、その一貫性の気概は残っていた…覚醒してなくてもギドロックに本気で喧嘩売られたらナッシュの兄貴は闘ってただろう…!ぶれない一貫性…誇り、プライドこそが俺の生き様であり兄貴にもそれを感じた…そんなカッケェ兄貴と俺でこの街、ゆくゆくは世界の頂上に立って二人で恐怖による支配をしたかった」



「俺はまだ兄貴を尊敬してる…勘違いするな…かつて兄貴を戦績や、勢力図や、権力の失墜だけで裏切った巌流中の大勢の奴らとは違う…それはお前もだ…その兄貴を周囲の状況に合わせて裏切りをしなかったお前のその部分は、敬意を払う!」


コウスケ「当たり前だろ!…あんな状況一つで態度を変え裏切るくずクズ野郎達と俺は違う!」


ヤス「だが流石に第二人格と第三人格の兄貴がどの程度の器なのかわからねえが、総合的に駄目なようだったら俺はついていくのを辞める!…二番目の人格よりな性格に兄貴が完全なっちまったら…まだブレストや江波セイタロウのがついてく価値あるぜ?……インドラとキドラが岬のメンバーから抜けた理由も分かる。…夕日の岬の連中だが俺からしたら、深い仲だの、価値観の偏り同士の共通点の絆とか抜かしてるが、…俺からしたらまだ全然足りん!覚悟も…決意の深さもな!…学校の奴らと大して変わらん!ただの馴れ合いだ!ワタルや、水芝や、剛来も含めてな!」

「もう少ししばらく兄貴に遠くから期待させてもらう…だがお前とはやはり深みが違う…!相棒コンビ解消だ…!バンや、ゴダイや、岬の奴らともおさらばだ!引き止めて悪かったな…さっさと売店行って兄貴の助太刀でもしてこい!…俺はもう俺の道を行く…世話んなったな鬼龍コウスケ…!」


コウスケ「…………ヤス……!」

「チッ」売店へ走りだすコウスケ


一方


潮風高校敷地外



剛来「ぶぇーくしょいっ!」


「まだ助けに行かなくてもいいのか?…」


売店


坂上一茶「オラオラやるじゃねーかレディース総長さんよ!」


セリナ「クッ……一撃一撃の打撃のスピードが速い…一番やりにくいタイプ…」


ナッシュ「やっぱりタイマンでやらせろ…て言われたけど、大丈夫かセリナちゃん…」




【七幹部】セイタロウ「そろそろ計画が揃ってきたなスイクンよ」ケタケタ


【七幹部】スイクン「ふ…悪い人♥貴方の言う通り、ヤスちゃんはナッシュちゃんを見限るのは時間の問題……ヤスちゃんは狂化覚醒の素質ももっているわよ…」


セイタロウ「ふ…カッカッカッ!そーかそーか!…やっぱりな…なんとしてでも俺らの方に引き入れるぞ!ワタルが次元の穴に引きずりこまれいなくなったのはこれ以上にないナイスタイミングだ!…ナッシュは諦めたが…ヤスなら不安要素なく条件満たしている…行くぞ……ブレストやインドラとキドラにとられる前に!…」

ケタケタ

スイクン「キー坊には話してないのこの計画?」


セイタロウ「カッカッカッ…お前にしか話していない!岬の人間はワタルや水芝信仰の馬鹿ばかりだからな…キー坊も含めてな!だがお前は前から水芝や、剛来や、

他の幹部共と違いワタルへの絆が薄いとおもっていた…同士よ!」ケタケタ


スイクン「まさか貴方がこんな計画企んでいたとはね♥流石…妖灯高校の元番長…ウットリ」


ザッザッザッザッ


セイタロウ&スイクン「!?」




【七幹部マキ】「ふぅんなんか最近怪しいと思ってたけど

大体話は聞かせてもらったよ…離反者…それもそんな計画を立てていたんだ!…容赦はしないよ…覚悟はいい?」


セイタロウ「面倒くさい女だ」ケタケタ


スイクン「フン!貴方こそ覚悟はよくて?…前から気にいらなかったのよね貴女…ここで口外しないよう息の根を止めてあげる!」

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