第22話 秘密の森⑦

「助かったね。」


「ルーク、魔道をそのままはね返せるなら、

そう言っておいてくれよ、突然怒らせるから

吃驚するじゃないか。」


「ごめん、ごめん。本当にはね返せる程度の

魔道かどうかも判らなかったし、相手に気づ

かせる訳にもいかなかったからね。まあ上手

く行ってよかった。」


「自信があった訳じゃないのか?」


「そりゃないよ、ナグとも初めて会ったんだ

から。ある程度は魔力も図れたけれどもね。」


(我の助力を忘れるでないわ。」


 自分の主とロックたちの連れを伴ってジェ

イが戻ってきた。


「わかっているさ、ジェイの助けがなかった

らナグを倒せなかったかも知れない。本当に

感謝しているよ。」


 そこへレイラとフローリアが合流した。あ

と一人も。


「なんなの、この大きなネズミは。頭の中に

変な声が聞こえてくるのはこいつなの?」


(命の恩人に向かってこいつ扱いとは失礼な

女子じゃな。我が主とは大違いじゃ。)


「そう言うでないブラウン=ジェイキンよ、

わらわも助かったわ。油断しておらなんだら

ナグあたりに引けを取るわらわではないが迂

闊にも魔道拘束を受けて身動きとれなんだで。

お前たちにも世話になったようじゃの、助か

った。」


 見た目はうら若き乙女にしか見えないが、

実は恐ろしい魔女の一員であるステファニー

=メイスンは素直に二人に謝意を述べた。打

つ手がなかったのは間違いなかったようだ。


「とりあえず外に出よう。ここは何だか瘴気

に満たされているようで息苦しいよ。」


 ルークの提案に全員が賛成した。






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