具だくさんとショウガの話

 私が料理をすると、気づけば具だくさんになってしまうという現象が起きる。無意識のうちにいろいろ投入してしまうのだ。たとえば味噌汁だって、うっかりすると五種類くらいは食材が入ってしまう。人参、きのこ、豆腐、玉ねぎ、小揚げみたいなところだ。小松菜や白菜や卵なんかも、とりあえずあれば入れる。入れてしまう。それは母親が味噌汁を具だくさんにする人だったからというのもあるし、家以外のところで料理をするとき、とにかく具をたくさんいれておけばオッケーみたいな習慣だったこともあるだろう。カレーにしても人参玉ねぎじゃがいも肉にプラスしていろいろ入れた。夏なんかはとくに顕著で、冬は大根が入れられることもあった。すべてカレー色、カレー味になるから、なにが入っていようとあまり気にならない。

 先日ちゃんちゃん焼きを作ったときも、まな板で重しをしないとフタが閉まらないくらい盛りだくさんになってしまった。私の料理はそういうものなのである。だいたいフタが閉まらない。

 最近はまっているのが、ショウガの甘酢漬けだ。みじん切りにしたショウガと蜂蜜(砂糖でも可)とお酢を適当な分量瓶詰めにして冷蔵庫に置いておく。そしていろいろな料理に投入する。私は炒め料理よりも煮込み料理の方が好きで、それは楽ちんだからなのだけれど、つまりはそれとこれの相性がいいわけである。味噌汁やスープをつくるとき鍋にスプーン一杯入れる。ぶり大根や、唐揚げの下味にも使うし、ナスの揚げ浸しにも登場させる。あとはそうそう、キュウリの醤油漬けにも欠かせないのだ。もしかすると味付けによっては炒めものにもあうのかもしれない。

 すっぱさを重視するならお酢を多めにする。反対なら蜂蜜を。作ったときの分量をテープに書いて瓶に貼っておけば、改良するも同じ味にするもやりやすい。

 このショウガの甘酢漬けを教えてくれた友人へ。すっかりうちの冷蔵庫でもレギュラーメンバーになっています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る