第34話 『       』

 誰かが倒れている。


 それは、俺だった。

 死んでいる。


 あっちにも誰かが倒れている。

 やっぱり俺だった。

 死んでいる。


 山積みの死体。

 それは、俺だった。俺だらけだ。気持ち悪いな。



 誰かが遠くで泣いている。

 誰かが遠くで笑っている。


 何かがバリンと割れる音がした。


 あ。

 空だ。

 空が割れているんだ。


 青い空が、崩れていく。そこには真っ暗な闇が広がっていた。


 


 そこで俺は、目を覚ました。

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