第16話 魔法剣!

「ミーア! 俺の剣にファイアを撃ってくれ!」

「え? う、うん!」

 ミーアのファイアが俺の剣に当たる。剣は炎に包まれる。

 成功……か?

 これぞ魔法剣ファイアだ。

 俺に魔法剣のスキルなんてないんだけど、やってみるもんだな。

「ミーア、援護を頼む。MPが尽きるまで、ファイアを撃ちまくってくれ!」

「うん、わかった!」

 俺は炎に包まれた剣でマンイーターを斬りつける。そしてミーアのファイアが直撃していく。植物系のモンスターは炎に弱い。これ、常識!

『ギギギギギギィ!』

 マンイーターは叫び声を上げて、森の奥の方へと逃げていった。


「や、やったね! お兄ちゃん!」

「お、おう」

 こんなに上手く事が運ぶとは思わなかった。魔導の杖で強化されたミーアの魔法がなければ危なかった。

 そういやミーア、杖の特殊効果で炎の魔法全種発現しているんだったっけか。まぁ、他の魔法試している余裕はなかったが……。

 さて、と。

 俺は座り込み、涙目になって震えているシルヴィアに、そっと上着をかけてやった。

「――見たわね?」

「見てませんよ?」

「――見たのよね?」

「……すみません、ちょっと見てしまいました」

「――ばかーっ!!!」

「ぎゃー!!」

 ばちぃいぃん!

 シルヴィアの張り手が俺にさく裂した! 会心の一撃!

 

 うぐぐ。俺のせいじゃないのに! 俺のせいじゃないのに!

 ……ガクッ。


 アーティは気絶した!

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