第17話 ある2人の会話
「ふぅん。クソ雑魚勇者かと思えば、すこ~しばかり機転がきくみてぇだな。マンイーターで十分かと思ったが……めんどくせぇ、直接始末するか」
「いや、やめておいた方がいい。あの“候補者”をよく見てみろ」
「……はぁん、ヤツがついているってわけかい。こりゃ、今は直接やりあえねぇなー。ちっ。ああ、めんどくせぇ。なんだってあんなクソ雑魚候補者にヤツが」
「さてな。おエライ方々の考えることなどわからんよ。それに、あの勇者もどうやら……」
「あぁん? ……ほぅ、よくみれば、なるほどなー。だけどクソ雑魚にはかわらねーよ。放っておいてもいいんじゃね? 多分、冒険の途中で死ぬだろ、あいつら。それよか、今のうちに他の候補者ぶっ潰した方がよくね?」
「そうだな。来るべき時に備え、我らが主にも力をつけてもらえわねばならないしな。ん? あの勇者……」
「まだなんかあんのかよ? あいつなんぞに」
「いや。似ていると思ってな」
「あぁん? あ、あー! あー、あーあ、先代継承者! 確かに似てるわー。でもそれが何?」
「いや、それだけだ」
「ま、よくある顔立ちなんじゃね? 行こうぜ」
「ああ」
気配なき2人は、姿を消した。
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