新たな仲間!
第11話 まどうのつえ
「ほ、ホントにいいの? お兄ちゃん」
「もちろん」
武器屋にあった掘り出し物“魔導の杖”。かつて高名な魔法使いが使用してたらしい。
とてもうさん臭い代物だったが、ミーアには何か感じるものがあったようで、それを手にとっては振りかざしたり、撫でたりしていた。その様子を見て、俺は決心したのだ。
俺の全財産をはたくことになるが、ミーアが気に入ったようだし……まぁ、お兄ちゃんからのプレゼントってことで。
俺の装備なんぞ後回しだ!
「ありがとう、お兄ちゃん!」
ミーアが俺に飛びついてきた。やわらかい。とてもやわらかい。色々とやわらかい。俺は生きててよかったと、今、心より思った。
もうあれだな、なんでも貢ぎたくなってくる。よし、ミーアにもっと喜んでもらうためにお金稼ごう! え? 違う?
俺たちは町の外に出た。
ミーアの新たな装備である、この魔導の杖の性能を知るためだ。
一応、先ほどの武器屋で鑑定書をもらったのだが、プラスされるステータス以外の詳細は不明となっていた。スキル欄には3行、???という文字が並んでいる。これを調べるために、そこらへんのモンスターと戦ってみようってわけだ。
と、さっそく俺たちの前にモンスターが現れた。
なんか、とぐろを巻いた茶色い大型の蛇っぽいやつだ。というか外見はもはやあれだ。まんま、う〇ちだ。
「よし、ミーア。あいつに向かってファイアを撃ってみてくれ。俺は魔法使えないからよくわからないけど、杖に魔力を集中するイメージで」
「う、うん……」
ミーアが目を閉じ、たぶん精神的なものを集中させていく。
杖の先端が、赤く光り始める。
「――ファイア!!」
炎が放たれる。
そして俺は、腰を抜かした。
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