この世をばわが世とぞ思ふ
とある栄華を極めた男が祝宴で、満月を見ながら歌を詠みました。
「この世をばわが世とぞ思ふ望月の」
「あー、ちょっといい?」
月が、待ったをかけます。
「今から月蝕だよ?」
「えっ」
男は急いで、下の句を変更しました。
「……欠けても元に戻ると思へば」
戻るなら多分大丈夫。
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