子泣き爺3

 わしは子泣きじじい。赤子の声で泣き、石の様に重くなる妖怪である。

 しかし、物理的に重くなるのでは無く、精神的に重くする方法を試みた。儂を背負った大学生の背で呟く。

「……卒業論文……ノートパソコンがウィルス感染……データ消去……〆切来週なのに……」

 足取りが重くなった。

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