気のいい火山弾2

 死火山の裾野に、ベゴというあだ名の大きな黒い石がいました。かどがなくて、卵の両端を少し平たく伸ばしたような形で、非常に気がいいので、他の石たちに何を言われても一度も怒ったことがありません。

「ベゴさん。東京へ出たらよし幾三いくぞうが飼うのかい?」

「それはべこだね」

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