垓下の歌1

 敵に包囲された砦の中で、とある武将が、恋人の美女に愚痴をこぼした。

「昔は世を覆うほどの気迫があったのに、今は愛馬が前に進んでくれないのだ。前に進まないのでは、どうしたら良いだろう」

「後ろに進めばいいんじゃないかしら?」

「成程!」

 いや、そういう問題ではない。

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