扇の的1

 平家軍の小舟の上で、女性が竿の先に付けた扇を掲げました。誰が射るか相談する源氏軍。

那須与一なすのよいち、行け」

「いやあれはちょっと難しく……」

 渋る与一。他の武士が手を挙げました。

「拙者が参る」

「いや拙者が」

 流れで、与一も手を挙げます。

「では拙者が」

「どうぞどうぞ!」

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